岡市 尚士
新たなる希望と世界的有名企業に心をボッキリ折られた、そんなバンド結成夜明け前 「プロレス好きのバンドマンが柔術黒帯になるまで/第89話」
当シリーズでいう前回「桜庭和志vsホイス・グレイシー戦の直後、高田道場に行った話」が他方面から称賛のお言葉をたくさん頂戴したばかりだったんですけど
その2日後に投稿した検証記事「プロテイン&自重筋トレを一年間、毎日欠かさず続けたら肉体はどう変わるか、やってみたよ!」
これが自己歴代4位のアクセス数を叩き出しまして(ちなみに1位初記事、2位卵、3位ブルーハーツ)
こうも、高評価が2作連続で続いてしまいますと
ついつい自分らしさの檻の中で、もがいてしまいがちになってしまうんですが
どこからともなく
何ミスチルぶってんだ!お前は公営団地に住む40歳間近のオジサンだろ。
そんな声が聴こえて参りますので本日もハナクソほじりながら読んでいただければ此れ幸いです。
-目次-
・生田駅で絡んできた金髪の輩
・チン毛ファイヤーの煙と共に上がったバンドの狼煙
・タカノリにベースをやらせるバカがどこにいる!
・2年前に死闘を繰り広げたテッコヤンこと福士哲也の愛の巣を占拠
・全然ブラック企業に見えなかった「グッドウィル」
・未来のベーシスト候補を連れてきてくれたキーマン/丸地君という男
・バンドマン、DJ、ラッパー達による狂乱の宴!さすが渋谷だぜ
-生田駅で絡んできた金髪の輩-
高田道場にアテンドしてくれたキヨシに連れられて、今度は別の場所にやってきました。
小田急線「生田駅」
高校時代、俺らの代では群を抜いて圧倒的な演奏力を誇ったバンドを、キヨシ達ともに担っていたタカノリが住む町です。
ギタリストとして勝手にライバルだと思っていた彼は卒業後、明治大学に入学し生田キャンパスに通っているらしい。
そんな生田駅に着いて、キヨシと歩いてましたら
ガチンコファイトクラブ二期生/″箕浦″風の
ヤカラに絡まれました。
タカノリでした。
金髪になっていました。
その後タカノリのアパートにお邪魔すると、ぞろぞろ集まってきた明治大学の仲間達
チャ、チャラい!
この同級生達にしても、タカノリにしても、
大学生って、こんななの?!
思ってみれば「大学生」という存在に会うのは生まれて初めてでした。山田町に住んでいるかぎり生活圏内に大学生がいることはありません。
おまけにこの2000年頃はSEXサークルの大学生による事件報道もほとんどされていなかったので「大学」って高校で勉強が出来る人しか入れないイメージがあって
底辺の俺らからすれば、大学生って髪もセンター分けでラルフローレンのシャツでも着てんのかなって勝手に想像してただけにカルチャーショックでした。
タカノリの友達みんなそのままガチンコファイトクラブのオーディション会場に投入しても画面的に違和感ないよ。
それだけじゃない。
彼らは、俺が酔っ払って全裸になると、負けじと脱ぎ出すノリの良さも持ち合わせていました。
この明治大学の面々とは、彼らが卒業する2003年3月頃まで付き合いは続きます。特にこの内の一人で千葉県出身のケンゾウを、この数年後に別のバンドに誘うことになるなんて。
上京後、タカノリのアパート「ステア三田」にて
そして、思ってみればタカノリとは高校時代そこまで話したことが無かったため、ここ「ステア三田」の敷地をまたぐ時には、多少の″気まずさ″みたいなものが介在していたんですけど
「チン毛ファイヤー」がそれを解消してくれました。
チン毛を燃やし合えれば、もう言葉は要らねえ。
-チン毛ファイヤーの煙と共に上がったバンドの狼煙-
ステア三田の一室に、悪臭が充満しました。
チン毛を燃やしたあと特有の、独特なニオイに包まれながら
「今度スタジオ入るか!」と
何だか、とてつもなく大きな事が始まるような気がしました。
タカノリとキヨシ、高校卒業後はバンドらしいことをほとんどしていなかったそうですが
まるで俺が上京するのをずっと待っていたかのように、チン毛ファイヤーの煙と共にその狼煙は上がりました。
もし俺らが組んだとしたら′89世界最強タッグ決定リーグ戦「ハンセン・天龍組」並みの
とは流石に言い過ぎですが。狭いコミニティーの中でなら、それなりにドリームチームだとは思います。
そして早速やってきたのは
生田から近い小田急線沿線のスタジオっつったらここだろ的存在の「クラウドナイン」
来てみたは良いものの、そういえばベースがいない。
仕方がないのでスタジオからレンタルしたベースで、タカノリとギターとベースを交互にパートチェンジしながら音を出してると
「俺、ベースやってみっかな」とタカノリ
いや、ちょっと待て!
ベーシスト候補をどうするかは一旦保留にして、今日は持ち帰んねえ?
極めて冷静を装ってましたが。正直、心の中では暴風雨が吹き荒れておりました。
それはタカノリにギターをパートチェンジして10秒も経たない内から感じてたんですけど
とにかくレベルが桁違いすぎる・・
-タカノリにベースをやらせるバカがどこにいる!-
たしかに高校時代に一緒にライブに出ていた時も、コイツは凄えなと思ってましたよ。
でも、俺だって一応。高校時代、フレッシュたもりに一瞬就職した時、地元に戻ってライブやってた時期
生活圏内においてはギターが上手い部類の人間だったはずだし、沿岸部のバンド界隈においても全然弾けてる方だったとは思う。
これまで散々、ギターを弾いている人間を大勢見てきたけど、それらと比較対象してみても、俺は決して自分のスキルが劣ってるとは思っていない。
その俺から見ても
タカノリはやっぱり桁が違った。
お客さんのいるライブじゃなくて、自分達しかいないスタジオだと、ソレは尚更。顕著に圧倒的グルーヴ感で
もう、上手いヘタの次元じゃなくて、なんか人の心に訴えかけてくる桁が違うというか
ギターにしても歌にしても
高校時代に勝手にライバルだと思ってたのは、どうやら俺の強がりから来る幻想だったようです。
俺なんか歌はむしろヘタな方だし。ギターもそれまでブルーハーツやイエモンを経由してからの、ハイスタとかNOFXのようなスタイルだけでやってきたのに対し
タカノリは邦楽、洋楽の有名曲はもちろん、その他ブルース、ファンク、フォーク、なんでもござれで。
もしもオリジナル曲で勝負したいんだったら、タカノリをベースに回すのはホントに勿体なさ過ぎる。
こうして、実際にスタジオに入ってみて浮き彫りになった「ベーシスト問題」
それに頭を抱えながら、1時間30分以上も電車に揺られ埼玉県に向かいました。
そういえば言ってませんでしたが
この時点で家はまだありません。
かといって、いきなり最終手段ホームレスになるにはまだ早すぎるので
とりあえずアパートを借りるまで、テッコヤンの家に泊めさせてもらってました。
あのテッコヤン
同じ宮古商業レスリング部出身で
お互いの引退を懸け、試合だったのか、それとも芝居だったのか、それはさて置き、死闘であったことには間違いないその対戦相手
テッコヤンこと福士哲也
-2年前に死闘を繰り広げたテッコヤンこと福士哲也の愛の巣を占拠-
テッコヤンこと福士哲也については
ここらへんからここらへんのあいだを読んでいただきますと、この記事に、よりコクが増すと思います。
そんなテッコヤンは埼玉県日高市内の介護施設で働きながら「武蔵高萩駅」近辺のアパートで暮らしておりました。
神奈川県の生田までクソ遠かった(笑)
なんと1時間30分以上
切符も片道1200円くらいかかるし
しかもね!JR以外の鉄道会社が存在するなんて知りもしませんでしたよ。
生田駅まで行くのに武蔵高萩駅の券売機で1200円分の切符買って出発したと思ったら、たった4駅しか離れてない川越駅の改札でスルスルっと切符が全部吸い込まれて
え、なんだよ!!って川越駅の駅員さんと揉めて
そこで初めて、JR以外の鉄道会社があるということ/それぞれ切符が違うこと/乗り換え切符っていうのもある。それらの概念を知ったよね。
話をテッコヤンに戻すと、高校時代は映画雑誌ロードショーを読むだけの置き物だった彼にもついに彼女が
K子という彼女さんでしたが、間もなく俺の天敵になります。
というのも俺は上京前、テッコヤンに連絡した時は、とりあえず2〜3日泊めさせてくんない?みたいなニュアンスで言っていたのですが
あれ?そろそろ1週間経つけど?みたいな
そりゃ、テッコヤンの一人暮らし部屋ったってK子との愛の巣でもあるわけですから
そこに転がり込んだもんだから、テッコヤンを通じてのK子からの苦情が凄いんですよ。とにかく早く出て行けと(笑)
愛の巣を占拠してるだけじゃなく台所にあったカップラーメン勝手に食ったりして(笑)かなり迷惑をおかけしているのは重々承知なんですけど
ちょっとね。まさかアパートを借りるのに、敷金礼金仲介手数料だの、こんなに初期費用がかかるなんて知りませんでしたから。
あと、ちょっとだけ足りない!早くバイトで貯めて出ていきますから。
バイトとはもちろん、上京前、カズ君から聞かされていた
夢の職業/日雇い労働
そして、その日雇い界でも超メジャー団体である
「グッドウィル・グループ」
そこの川越支所と俺は契約を交わしていたんですね。
-全然ブラック企業に見えなかった「グッドウィル」-
数年後、「給料中抜き」ほか様々な問題から刑事事件にまで発展し、廃業することになるグッドウィルなんですけど
俺からしたら天国でしたよ。
かつて山田町にあった遊園地「マリンパークやまだ」で高校レスリング引退後の夏休み。バンドとDo活動の合間をぬってバイトしてたんですが、その時の時給が破格の「480円」で
それに比べたら日当1万円近く貰えて、しかも好きな時だけ行っても仕事があるって最高じゃないですか。
そして上京前にカズくんの口から語られた通り
日雇い労働ではたくさんのミュージシャンやバンドマン志願者と出会えました。
実際、現場に入れば入るほど多くの人材に会えるので。
出勤を頑張れば頑張るほど、未来のベーシスト候補に巡り合える確率も上がる!
一石二鳥でしょ。早くお金も貯めないとだし。
とにかくK子がうるせえから(笑)
そんなんだからベーシストを探し求めて頑張って毎日現場に出ましたよ。
そこで辿り着いたのが「丸地君(仮名)」という男
俺が行く先々で、バンドのことやベーシストを探して触れ回ってるっていう噂が、現場現場を通じて丸地君のところに伝わったみたいなんですね。
で、ある現場でようやく一緒になって
向こうから話かけてきたんですよ。
「噂は聞いてるよ。仲々アツイ男がいるって。ヨロシクね!」と
歳は俺の一個上で、すげー感じが良くて、オシャレな好青年でした。音楽も造詣が深くて
すぐに意気投合しましたよ。
-未来のベーシスト候補を連れてきてくれたキーマン/丸地君という男-
しかし残念ながら丸地くん自身、音楽は好きだけど残念ながら楽器は素人で。
でも彼のルックスの雰囲気が良いから、一からベースを始めさせようしたんですけど丁重にお断りされて(笑)
でも知り合いにバンドマン、DJ、ラッパー、とかめちゃくちゃ居るらしく
今度ベーシスト候補を紹介してくれると!
やった!
そして後日、丸地君のアパートに遊びに行ったんですけど。
すげーオシャレな部屋に住んでて
CDもめちゃくちゃ持ってて、その陳列をズラーっと眺めていたら
「タカシ!いいもん見せてやっから、ちょっと待ってな」と
廃盤のCDとかレコードでも見せてくれんのかなと思ってたら
部屋の奥から持ってきたのは
鏡?
かと思えば、その鏡を靴墨で汚しはじめた。
何やってんの?
呆気にとられてると
横からサッと取り出した
2本の中性洗剤
「タカシ、今からすげーもん見せてやっから」
鏡の2箇所の汚れそれぞれに、その2本の洗剤をかけ始めた、、!
ゴシゴシゴシゴシゴシ
ほら!こっち、すげーピッカピカだろ!
は?
どうリアクションとればいいか困惑している俺を見て
「あ!タカシ、もうひとつ、すげーのがあるんだよ」と次の行動に移ろうとした丸地君と
そして部屋の奥に積まれた段ボール箱
これを見て大体、分かりました。
これネズミ講だろ?
「タカシ、ちょっと勘弁してよ〜、一緒にすんなって。あのね、ネズミ講っていうのはさ、中身のない物だったり粗悪品を、、」
っていう説明すら聞くのもイヤになってきて
「ごめん、帰るわ」と部屋を出ました。
-バンドマン、DJ、ラッパー達による狂乱の宴!さすが渋谷だぜ –
後日、丸地くんから謝罪の連絡が入りました。
「タカシ、この前はホントに悪かった。ごめん。もうあんなマネしないから許してほしい」
そして
「お詫びの印として、いつだったか話してた、知り合いのバンドマン、DJ、ラッパー達がたくさん集まるパーティーイベントが渋谷であるんだけど。行かない?今度こそベース紹介するよ」と。
おおお、マジで?
ありがとう。
うん。行きます。
ていうか最初からそこ連れて行ってくれてたら、勧誘でムダに揉めたりしなかったのに(笑)
しかも渋谷って、そういうアンダーグラウンドな人種がたくさん居そうだし。今度こそ期待が持てるな。
待ち合わせ場所のハチ公前に向かうと、遠くから見ても分かるように、ゴメンゴメンのジェスチャーをとっている丸地くんが
そして向かった先は
超巨大なビル
へ〜、こんなところにイベントが出来るようなハコがあるんだね〜。と案内されるがまま、辿り着いたドアを開けると
大勢の若者が、、!
会場に入った瞬間、イェーイ!って感じのノリで丸地くんに数名が寄ってきました。
どうやら丸地くんの話は本当のようで。会場に入って数分も経たないうちに、数名のバンドマン志望者、DJ、ラッパーと自称する人達と挨拶しました。
「紹介するよ、こいつタカシって言うんだ。みんな、ヨロシクな」
丸地くんがとても頼もしい存在に思えてきました。
そして、ここに居るみんな仲が良さそう。
今日こそベーシスト候補と会えるかもなぁと期待していたら
前方のドアからスーツ姿の男性が数名入ってきて
その中のひとりが
会場にいるみんなに向かって、マイク片手に話しはじめました。
何やら、苦労話とか、成功した現在の話とか、やらかしてしまった話とかなんですけど
最終的には◯◯◯◯◯で良かった、みたいな。
この◯◯◯◯◯
どっかで聞いたことあるな、、、
と思いを巡らせておりましたら
この洗剤に書いてた名前や、、!!
すると、、
自己紹介ターイム!!
さっき話してたバンドマン、DJ、ラッパー達が
次々と前に出て
えっとー、俺には夢があって、◯◯◯◯◯はその夢を叶えるために始めたんですけど、まさか最高の仲間達もセットでついてくるとは笑!って感じで、みんな、これからもヨロシク、イェーイ!
みたいな感じでスピーチ(?)をし始めて、、!
中には、スピーチ中に感極まって泣き出すヤツも、、
予想を遥かに上回る展開に固まってたら
首謀者/丸地に
「ほら、タカシ。お前もみんなの前で夢かましちゃえよー」
って言われた時点で
さすがに怒りが頂点に達しました。
ふざけんな!!って
会場、っつうか会議室みたいなところだったけど、そこを飛び出して。
ビルから外に出て、よくよく見たら
超巨大なこのビルって◯◯◯◯◯の本社ビルだったのね!
調べたら、その世界ではナンバーワンぐらいの企業のようです。
なもんで◯◯◯◯◯の帰り道、ベーシスト探すことに心が折れて
思っちゃいましたね。
俺がベースやろうかなと(笑)
つづく
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この記事を書いた人
岡市 尚士
ブラジリアン柔術黒帯。第17回茶帯全日本ブラジリアン選手権大会優勝。茶帯全日本マスターズ選手権優勝、茶帯全日本ライトフェザー級2位、JBJJF全日本マスターズ選手権マスター1紫帯ライトフェザー級優勝、全日本コンバットレスリング選手権大会/58キロ級3位、レスリング岩手県高総体/52キロ級準優勝、レスリング岩手県民体/56キロ級準優勝、レスリングジュニアオリンピックカップ/48キロ級3位と多彩な実績を持つ。
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