岡市 尚士
プロレス好きのバンドマンが柔術黒帯になるまで 第29話「1994年J-POPの雨に打たれて白から黒へ」
「大地とひとつになった話」をクラスで話せるくらいに打ち解けてきた2年4組はよく音楽の話がよく飛び交うそんなクラスでした。
っていうか、そもそも1994年当時というのは「石を投げればのちの怪物バンドか小室ファミリーに当たる」という俺が勝手に考えた言葉のように
2年4組に限らず、日本全国どこの教室の中にだって1994年J-POPの雨はたくさん降っていたと思います。
trf/ミスチル/スピッツ/シャ乱Q/LUNA SEA/JUDY AND MARY/メジャーデビュー間もないGLAY/etc、、、
世代は少し上ですがBOØWY/尾崎豊/X JAPAN/ザ・ブルーハーツ
ドラマ「人間・失格」の主題歌「冬の散歩道」がリバイバルヒットしたサイモン&ガーファンクル
ほんの少し前、鹿野から借りたビートルズを数滴ほど垂らしただけだったのに
気がつくと生活には音楽が溢れていました。
そして当時どういうわけか山田中学校で「ロカビリー」が流行ってて
三年生達を中心に大勢がラジカセを囲んでツイストを踊ってるんですよ。スクールバスの車庫前とか校内のいろんなところで
俺はそのツイストには惹かれませんでしたが
ラジカセから流れてる音楽がカッコいいなと。
鹿野に聞いたら「ストレイ・キャッツ」と「MAGIC」(日本のロカビリーバンド)だと
これらの音源は、かつて血眼で収集したプロレス関連と違って、手に入りやすかった。聖地ササキデンキはレンタルCDもまあまあ充実してたし
そのダビングしたカセットテープ達を巨大なカステラみたいなボックスに入れて、宮古商業レスリング部への練習とか少し遠出する時はウォークマンで聴きながら移動するようになったので
こうやって俺の血中濃度には徐々に音楽が注入されていったんでしょう。
そんな時マット界で大事件が・・
なんと蝶野が衝撃のヒールターン・・!
元・暴走族で荒っぽいけど、選手会長まで務めていて頼れる兄貴みたいな感じだったあの蝶野が・・。
すげーショッキングでしたね。
初戦で馳浩を見事な血祭りに。これはあかん。
そして音楽を生活に取り込むようになった自分自身にも異変が・・・
俺、世界で一番カッコいいグループって平成維震軍だと思っていて。
これは一生揺らがない自信があったんですけど。
でも、、あれ、ビートルズの方がカッコ良く見えてしまう・・
これはおかしい
越中、小林、木村、青柳、齋藤、小原、後藤、カブキじゃなくて
ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの方が・・
これはちょっと自分自身ショックでした。
長年お世話になってるプロレスを
「裏切る」みたいな気がして。
しかし魔が差して大地に挿してしまうほどの14歳は
自分を抑えることが出来ませんでした。
とうとう親父の部屋に置いてあったエレキギターを手にしてしまいます・・
つづく
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この記事を書いた人
岡市 尚士
ブラジリアン柔術黒帯。第17回茶帯全日本ブラジリアン選手権大会優勝。茶帯全日本マスターズ選手権優勝、茶帯全日本ライトフェザー級2位、JBJJF全日本マスターズ選手権マスター1紫帯ライトフェザー級優勝、全日本コンバットレスリング選手権大会/58キロ級3位、レスリング岩手県高総体/52キロ級準優勝、レスリング岩手県民体/56キロ級準優勝、レスリングジュニアオリンピックカップ/48キロ級3位と多彩な実績を持つ。
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