岡市 尚士

岡市 尚士

2020.03.24

100日後にアレするアレ 〜 高山善廣をブッ飛ばしたボブサップを先頭として日に日に拡大する格闘技ブーム同様の我々BOSTON☆CLUB BANDのソレ 〜 「プロレス好きのバンドマンが柔術黒帯になるまで/第97話」

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令和二年三月吉日

俄然、収束する気配の見えないコロナウイルス騒動ですが

こんな不安な御時世においてWEB上でバズった100日後に死ぬワニという4コマ漫画が

最終回である100日目を終えた途端、実は「電通案件」だったということが明るみになり

101日目から論争が巻き起こっております。

かくゆう当シリーズもそろそろ100話の金字塔を迎えるわけですが

これだけは最初に宣言しておきます!

もしも電通さんその他企業さんから「すり寄り」があった場合、遠慮なく魂売りますからね(笑)

ワニさん同様、関連グッズ出しちゃいますよ!

下敷き、テレカ、卓上カレンダーetc、、、

しかし、現実は何とやら

この一年以上、誰からも頼まれてねーのに子供が昼寝してる横や、訪問介護現場の移動中の電車内とか、とにかく限られた時間の中で脳内のボキャブラリーをブラッシュアップして文章を作ってきたのに、、

見ての通り、無風(笑)

おい!電通!何やってんだよ!もうすぐ100話だよ?!

-目次-

  • 「100日後に死ぬワニ」同様に風が吹いたこともあったのだよ
  • 期待の二代目ドラマー/亮太は、何故すぐ辞めたのか?
  • いつぞやの辛口論者は明日のメンバー
  • こうして始まった第三期BOSTON☆CLUB BANDはいきなり、全盛期のピンクレディーを下北沢版に縮小したくらいの忙しさでした。
  • 新年の風物詩「2319night」と、企画バンド「ミッシェル・ガンズアンドローゼス」と、自主イベント「ボストン首脳会議」
  • 相変わらずライフのパン屋なんですが一年前と比べ、バンドを取り巻く状況は大きく変わりました。
  • 若手バンドマンにとって「事務所に所属する」というのは一種のステータスなんです。

「100日後に死ぬワニ」同様に風が吹いたこともあったのだよ

旬の話題にすり寄ることで、少しでも閲覧数を稼ごうというセコい事この上ない俺ですが(笑)

それなりに風が吹いた事もあったんですよ。

それは今から遡ること約17年前、、

街には浜崎あゆみがガンガン流れ、ベッカムヘアーの若者が急増し

マット界では、ドンフライと伝説に残る試合をやってのけた高山善廣が、格闘技ブームの″顔″となろうと赤マル急上昇中のボブサップに「ボブサップは大したもんだ。だから挑戦する」と対戦を要求した

そんな2002年年末

前記事でも触れましたが、人生初の一般流通アルバム「DEEPER THAN ORANGE」のリリースを目前に控え

( 収録曲レディオスター←聴けます)

それまでとは比較にならないくらいのライブイベントの出演オファーが舞い込み

間違いなく俺らに風は吹いていたと思います。

そんな絶頂を迎えるタイミングの時でした。

ドラム/亮太が辞めたいって言い出したのは

期待の二代目ドラマー/亮太は、何故すぐ辞めたのか?

いわゆる方向性の違い的な理由だったように記憶しております。亮太の脱退は。

上京前、まだ岩手県宮古で活動していた頃の亮太はハイスタのコピーなどをやっており、元々はメロコア畑の人間でした。

同じメロコア畑の先輩だった俺が東京に行ってバンドをやっていると聞いたので、もしかしたら″そういう延長線上″のようなスタイルを予想していたのかもしれません。

だとしたら。ハイスタやNOFXなど諸先輩方には一生かかっても勝てないと思って、敢えてそういうスタイルとは距離を置いた俺がいるBOSTON☆CLUB BANDっていうのは

″師匠・キヨシの後釜″という普通なら気が引けるポジションに覚悟して乗り込んできたものの、もしかしたら亮太にとっては最初から最後までずっと違和感があったとしても、おかしくはない話で

例えるなら、会社の意向で強引に色々決められていたスペースローンウルフ時代の武藤敬司が

「ヘルメットかぶってたらバイクとかのスポンサーがつくかもしれないから」 との猪木からの指示で「610」とロゴが書かれたヘルメットをかぶって入場したり、世代的には全然まだ若手のヤングライオン達と同期なのに、なぜか新旧世代闘争のオッサン側の方のメンバーで試合に組み込まれてたり

それらと似たようなやり辛さが、亮太にもあったのかどうかは分かりませんが(笑)

実際、亮太が加入した時っていうのは、バンドは上昇気流に向かって離陸するぞってタイミングでしたし

しかも、すでに用意されてたレパートリーの、ほぼ全てのドラムアレンジはキヨシが考えたものですから

「上京して先輩に強引に誘われてバンド入ってみたら『レディオスター』って曲が人気で。。何かよく分からないままレコーディングにも参加する事になった。。」

亮太にとってのDEEPER THAN ORANGEって、もしかして仮にそんな感じだったとしても、おかしくはない話だよなぁって

だから、実際こうしてDEEPER THAN ORANGEのブックレットに顔写真と名前は写っていながら

リリースを待たずして期待の二代目/亮太は脱退してしまうんです。

さあ困ったなと

いつぞやの辛口論者は明日のメンバー

亮太の脱退直後。ピンチヒッターとして

bluevery(DEEPER THAN BLUEの方に参加)の″隊長″こと寺田聡に一回だけライブを手伝ってもらったんですけど

この人

(ブラザーあの時は助かった。ありがとう!)

その後、割とすぐに救世主は現れました。

以前から足繁くライブに通ってくれていた「藤井あっちゃん」という女性がメンバーを紹介してくれることになりまして

2020年現在、Vivian BoysThe Leather Girlsとして活動中の

Nao VivianことNaoNao

何と女性ドラマーでした。

あっちゃんに紹介された当初、すでに彼女の存在は知っていました。

なぜなら以前、藤井あっちゃんが一度だけNaoNaoをライブに連れて来てくれたことがあり。その際、彼女はアンケートに手厳しい意見を書いてくれていたからです(笑)

耳を塞ぎたくなるような辛辣な意見にアンケート用紙を破り捨てそうになったあの日の感情はひとまず忘れ

すがるような思いで新ドラマー候補/NaoNaoと会いました。

待ち合わせは登戸のマック

前にライブに来てくれた時の印象に、さらにアンケートの手厳しいイメージが作用して、クールっていうかツンケンしてる人物像を勝手に思い描いていたんですけど(笑)

いざ蓋を開けてみるとシャレの通じるチャーミングな女性でした。しかも俺とタカノリと同じ広末涼子松坂大輔世代だったので話しやすかったし。

そのあとみんなで飲みにも行ったんですけど、カズ君をはじめとする登戸軍団のみんなとも打ち解けてたので「心配なさそうだな」と

人間関係的な意味合いで

高1からの付き合いのカズ君はリトマス試験紙と同じくらい信用性が高いので、彼が大丈夫なら、それは即ちBOSTON☆CLUB BANDでも大丈夫という証なのです。

こうして始まった第三期BOSTON☆CLUB BANDはいきなり、全盛期のピンクレディーを下北沢版に縮小したくらいの忙しさでした。

すいません、縮小したにしてもピンクレディーは流石に言い過ぎですが(笑)

にしても第三期BOSTON☆CLUB BANDが始動した2002年12月はバンド始まって以来、忙しい月となりました。

12月だけで

12/6 ランクヘッドみかん祭りvol.3
12/25 カンパネルラCD発売記念ライブ
12/27 DEEPER THAN ORANGE発売記念ライブ

12/31 下北沢ガレージ年越しライブ

↑↑これ下北沢ガレージの公式記録に載ってた分だけです。

この他に下北沢ベースメントバー、渋谷Club Asiaのイベントに呼ばれ

大晦日の年越しライブは下北沢ガレージ→下北沢ベースメントバーのハシゴでしたから

一ヶ月で最低でも7本ライブをやっていたんですね。

だもんで、初めはサポートというカタチでバンドに入ってもらったはずのNaoNaoが、いつ正式メンバーになったのか記憶がありません。

しかし彼女はすげードラマーでした。

たとえば古典落語でいうと一流落語家と、落語研究会の大学生の話すソレが全く違うのと同じで

NaoNaoは加入して上記の推定7本のライブをこなす内に、俺らのレパートリーをすっかり自分の音に仕上げていました。

というのも彼女は、お母さんも元バンドマンというサラブレッドで

あれから17年以上経ってタカノリも俺も一線から退いた2020年現在の今もバンドマンとしてバリバリ生きている肝が座っている彼女の姿から考えても納得です。

こうして″名ドラマーを得た魚″のごとく

明けた2003年も、我々BOSTON☆ CLUB BANDの勢いは

大晦日「INOKI BOM-BA-YE 2002」で高山善廣をブッ飛ばしたボブサップを先頭として、日に日に拡大する格闘技ブームと同様のソレでして

そんなバンドの勢いはグループの枠をはみ出し

2003年新年早々、個人活動にまでも幅を広げるようになりました。

新年の風物詩「2319night」と、企画バンド「ミッシェル・ガンズアンドローゼス」と、自主イベント「ボストン首脳会議」

下北沢ガレージでは毎年「1月4日」

奇しくも新日本プロレスが東京ドーム興行を行うのと全く同じ日に「2319night(ブサイクナイト)」というお馴染みのメンツによる、完全に自己満足の演目を行うというイベントが開催されておりまして。

この2003年も例年通り開催されたのですが

同日、あのジョシュ・バーネットが永田裕志の持つIWGPヘビー級選手権に挑戦し。4日前にボブサップと闘ったばかりの高山善廣が ″世界のTK″こと高坂剛を相手に、かつて猪木が巻いていたNWFヘビー級選手権を争ったんですけど

そんな激闘が行われている東京ドームからおよそ10キロ西に位置する世田谷区・下北沢ガレージ「2319night」のセルリアンブルーのステージに初参戦した私は、カンパネルラのボーカルギター/津崎さんとタッグを組ませていただき

「プロレスの歴史を力道山時代から2002年まで語る」という果たしてそこにニーズがあったのか未だ誰も解明すらしないであろう演目をやらせていただいたり

また、あるイベントでは「他グループのメンバーで越境バンドを組む」という企画で

これまたカンパネルラの津崎さんとエノさん、津崎さんの学生時代の同級生ナンチャンと、一夜限り「ミッシェル・ガン・エレファント」のコピーバンド「ミッシェル・ガンズ・アンド・ローゼス」を組ませていただいたりと

デビューしたてのバンドマンじゃ出来ないような事にもチャレンジさせていただきました。

そして遂に、この1月25日には我々BOSTON☆CLUB BANDによる自主イベント

「ボストン首脳会議 vol.1」を開催させていただき

  • bluevery
  • BOO BEE BENZ
  • カンパネルラ
  • LUNKHEAD

という、この時点ではこのメンツしかいないだろう!という布陣をブッキングさせていただきまして

「ビール飲み放題」という特典は付けさせてもらったものの、なんと当日券込みでSOLD OUT!という華々しい結果に終わり

(画像)「ボストン首脳会議vol.1」ステージ上で乾杯か何かをしてる光景と思われます。

もう、来るところまで来た感はヒシヒシ感じておりました。

思ってみれば一年前の大晦日はライフでパンをこね終えて、普通にアパートに帰って

酔っ払ったパン屋の同僚中島にグダグダ絡まれながら、安田フィーバーの「INOKI BOM-BA-YE 2001」を観て過ごしたなぁって、、

相変わらずライフのパン屋なんですが一年前と比べ、バンドを取り巻く状況は大きく変わりました。

とは言っても

2003年を迎えても新年早々、食い扶持は相変わらずライフのパン屋なんですけどね。

しかし、ここに入った当初から、バンドマンでもある同僚の中島からいつも掛けられ続けていた言葉

「お前らは良いよなぁ」

それが、まるで囁かれれば囁かれるほど好転に向かう魔法の言葉であったのかのように

一年前と比べ、バンドを取り巻く状況は大きく変わりました。

しかし俺自身、バンドが忙しくなってきた事によって出勤日数も減り

金銭的にはむしろ人生史上一番の極貧で(笑)

処女作「DEEPER THAN ORANGE」をパン屋の店頭で売らせてもらえないかと、ライフ宿河原店の店長に直談判するも即却下(笑)

ただし従業員相手に宣伝するならOKとの事だったので

青果、鮮魚、精肉、レジなど他部門のパートさん達相手に毎日、休憩時間にはマッチ売りの少女よろしくCD売りのパン屋さん劇場を展開しましたが

たったの一枚も売れず。

バンド界と世間との大きな壁を感じました。

しかしライフ宿河原店のみなさんが、いまいちピンときてなくても大丈夫。

ライブハウス界隈ではちゃんと燃えていますから。

所属する事務所が決まりそうなのです。

若手バンドマンにとって「事務所に所属する」というのは一種のステータスなんです。

若手バンドマンにとって「事務所に所属する」というのは一種のステータスなんです。

音源作品を作って、それを売ろう、というスタンスでバンド活動をやろうとすると特にお金がかかるのが「レコーディング」と「宣伝」だと思うんですけど

事務所がつくメリットとして、この両巨頭に出資してもらえるケースが多い事だと思うんですね。まあ、その場合はバンド自身も事務所の「商品」ということにはなってしまいますけど

そんな事務所が決まりそうだなんて

まだ岩手の実家でバンドマンを夢見て昼から発狂していたニート時代からすると夢みたいな話で

そして、この頃に出ていたライブってイベンターが主催するイベント中心になっていたので、これまでは当たり前だと思ってたチケットノルマがない事が多くて

自分らでお金を払わなくても良いのでバンド側からしたら非常にありがたいというか

でもチケットノルマを設けないイベントって動員が見込めるバンド中心に出てもらってるからこそなんですけど、我々も、そういうバンドとして認知されるようになったのかなと。本当に光栄でしたね。

扱いっていうか居心地もすごく良いですし。どこに行ってもBOSTON☆CLUB BAND様々な感じがビンビン伝わってきてました。

そんな2003年初頭

マット界では新時代を予感するかのようなカードが発表されました。

大晦日のメインイベントを飾り。間違いなく格闘技ブームの″顔″最右翼であるボブ・サップミルコ・クロコップ戦

王者アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラの持つPRIDEヘビー級選手権へのエメリヤーエンコ・ヒョードルの挑戦

日に日に拡大する格闘技ブームでしたけど、さらなる隆盛時代がもうそこまで来ているかのような2カードだと思います。

そして今回タイトルにも冠させていただきました「100日後にアレするアレ」って

今、旬のやつをただマネしただけじゃないんです。

実際に2003年が始まってから大体100日後にアレがアレしちゃうんですね。

BOSTON☆CLUB BANDもそろそろ新時代を迎えますからね。

つづく

次回「志村ロス

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この記事を書いた人

岡市 尚士

岡市 尚士

ブラジリアン柔術黒帯。第17回茶帯全日本ブラジリアン選手権大会優勝。茶帯全日本マスターズ選手権優勝、茶帯全日本ライトフェザー級2位、JBJJF全日本マスターズ選手権マスター1紫帯ライトフェザー級優勝、全日本コンバットレスリング選手権大会/58キロ級3位、レスリング岩手県高総体/52キロ級準優勝、レスリング岩手県民体/56キロ級準優勝、レスリングジュニアオリンピックカップ/48キロ級3位と多彩な実績を持つ。

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