岡市 尚士
なぜ俺は自身の創ったBOSTON☆CLUB BANDを辞めようと思ったのか 「プロレス好きのバンドマンが柔術黒帯になるまで/第98話」
今日また生きているぞ!
36.5℃の平熱だったぞ!
ということで前回から二日しか経ってませんけど宣言通りサクサク進めさせていただきます。
なぜ俺は自身の創ったBOSTON☆CLUB BANDを辞めようと思ったのか。
あ、もし精神的に余裕のある方は、心の時計を
2003年の春頃にタイムスリップしていただければ幸いです。
初頭に平成の大横綱/貴乃花が引退し、PRIDEヘビー級王者ノゲイラにヒョードルが初挑戦し、K-1でボブサップとミルコが闘った、あの頃
当時、24時間ずっとバンドのことだけを考え続け
一刻も早くライブハウス界隈に万里の長城を築くべく 「下北沢の新間寿っつったら俺だろ!」くらいの奔走を続けていたのが
ある日、突然。糸がプッツリ切れてしまった。
その決定打になったのは
超メジャー邦楽雑誌「ROCKIN’ON JAPAN」になんと我々バンドの広告が!小さいスペースながらも掲載された事だったんですけど
それまでも密かな兆候はありました。
もともとBOSTON☆CLUB BANDっていうのは、音楽の好みに微妙にばらつきのあるタカノリとキヨシと俺の三人がジャンルなんか定めず、あえて雑多な感じでスタートしたバンドで
プロレスのマスク被りながら演奏したり、ライブ衣装をあえてダサいジャージにしたり、全員が曲つくって全員が歌って
まあバンドとしてのまとまりは無いんですけど、ルーツがユニコーンである俺からしたら、むしろそれで良いなって思ってた節もあるんです。
それが動員が増えるにつれ、マスクを被らなくなり、ジャージも着なくなって
やがてタカノリだけがボーカルを取るようになり、バンドの方向性のようなものが徐々に定まってくると
それに呼応するように動員はさらに増え続けました。
すると俺らも、観に来てくれる人達も、ライブハウスも、関係者も、そのベクトルに向かうわけですよね。
まあバンドの在り方としては健全ですよ。
ただ、その反面
俺らの立ち位置が良くなればなるほど、周りにもそういう似たようなジャンルのバンド達やロケンローな人々がゾロゾロと集まってきて
すると。次第に周りの空気感は、なんていうか
、、ロック原理主義とでもいうんでしょうか
本格志向じゃない音楽はクソだ(とは誰も口に出して言ってないけど)そんな風潮が漂い出してきてんな〜っていうのを、何となく感じはじめていたんですよね。
雑なプロレス的表現で例えるなら
「ロープを使うヤツらなんかは絶対に認めない」みたいな。
そんなストイックで先鋭的な空気感が、すんげー窮屈に思えてきて
「いやー、ボストン最高っすよ!」って崇められれば崇められるほど、居心地は段々と悪くなっていく・・
いや、もちろんBOSTON☆CLUB BANDのスタイルは大好きですよ!
40歳目前の現在の俺が聴いても、めちゃくちゃカッコいいと思いますし(ココで聴けます)
、、なんだけど
正直、ロープ使いたい・・
なんならマスクかぶってトペ・スイシーダとかやりたいし!
毒霧だって吹きたいさ!
デスマッチだって、新春バトルロイヤルだって、場外乱闘だって、パキスタンの巨人とも闘ってみたいし!
そしてロッキンオンジャパン発売日
登戸駅近くの住吉書房に買いに行ったんですけど
まず雑誌を手にとって実際に掲載された俺らの広告を見た時、
「あ・・・俺、この先鋭的な団体でデビューするべきではないな」って、思っちゃったんです。
こんな悲しい事はないですよ。
だって岩手の実家で昼から発狂してた半ニート時代の俺が聞いたら二階の部屋から飛び降りてたって全然痛くない位に嬉しい!ほどに、
とんでもねえ事なんですから!ロッキンオンジャパンに載るなんていうのは
そんな夢みたいな話が現実になった時、出てきたのが「歓喜じゃなかった」っていうのが
ものすごく悲しい。
この頃のマット界は
ノゲイラがヒョードルのパウンドの雨を食らいまくって判定負けを喫し
K-1で敵ナシ状態だったボブサップが、ミルコクロコップ相手に、まさかのたった1ラウンドで戦意喪失によるKO負けを喫し
完全に格闘技全盛の時代が始まっていました。
しかし俺がバンドに求めるのはリアリティーなんかじゃねえ
「シューティングを超えたものがプロレスである」
そんなジャイアント馬場御大の有名な御言葉を体現するような
そんなバンドだよな。俺がやりたいのは、と
結局、ロッキンオンジャパンを買わずに住吉書房から出ました。
つづく、、
今日はここまで!明日か明後日また生きてたら書くぞ!
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この記事を書いた人
岡市 尚士
ブラジリアン柔術黒帯。第17回茶帯全日本ブラジリアン選手権大会優勝。茶帯全日本マスターズ選手権優勝、茶帯全日本ライトフェザー級2位、JBJJF全日本マスターズ選手権マスター1紫帯ライトフェザー級優勝、全日本コンバットレスリング選手権大会/58キロ級3位、レスリング岩手県高総体/52キロ級準優勝、レスリング岩手県民体/56キロ級準優勝、レスリングジュニアオリンピックカップ/48キロ級3位と多彩な実績を持つ。
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