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「減量は無理なく。且つハイブリッドで意識の高いものでなくてはならない！」

こう叫んだ男達がいた。

時は平成中期。1998年。

この物語は、長年レスリング界に蔓延していた悪き習慣「無茶な減量」

それを断ち切るべく！新たな可能性の大海原に乗り出た、宮古商業高校レスリング部とひとりの部員による

新時代への大航海プロジェクトである！

、、のはずだったんですけど

10キロという減量幅を、1ヶ月弱という短期間で、セクシーにクールに航海することは不可能！

そう判断されたため「新時代ハイブリッド減量計画」は6キロ海域にて一旦、白紙に！

沈没の用意を始めたタイタニック上野号から投げ出されたのは

「カロリーメイト（スナックタイプ）」

え！これで行けってか？！

そうさ今日から俺がこの小舟の船長さ。

目の前には残り4キロの荒れ狂った大海原、、、

あ、ここで減量やダイエットを試みた事がない方のために注釈します。

もしかしたら中には「10キロのうち6キロ落とせたのだから、残り4キロなんてあと半分以下だから大丈夫じゃない？」と、お思いの方もいらっしゃるかもしれない。

いや、とんでもない。

これまで落とした6キロを「映画の予告編／2分くらいのやつ」だとしたら。

残り4キロは

「映画本編／2時間以上」

それほどの苦しみがあります。

本番はここからなんです。

ここで頼らざるを得なくなってくるんですよね。昭和式に。

とは言ってもそんな難しい事じゃないです。いたってシンプル。

「食わない」

シンプルでしょ。

もちろん今まで食ってた上野製ハイブリッドメニューも先生に申告すれば調達できるんですけど

なんかプロジェクトの全権・全責任・大航海の続きを一任されてしまったっぽい、、んですよね、、？

そうなってくると、沈むも航るも責任の所在は俺。

参ったな。

この小舟でどうやったら大陸に辿り着けるか考えました。

一日のスケジュール自体は今までと同じ

・朝ランニング

・授業

・昼休み

・授業

・部活

・帰宅

なんですけど一気に落とせるポイントがあるとしたらやっぱり「部活」しかないんですよね。

だから部活の前にだけ何かを口に入れる事にしよう。水分もそん時だけ摂るようにしよう。

よし、これで行こう。

さあ始まりました！

ようこそ！地獄のワンダーランドへ！

Welcome To Wonderfull Hell Land！

このアドベンチャーを開始して間もなく

クラスメイトが飲んでいたコレが光輝いて見えました。

・・ガブ飲みしてえ

それどころか、、

普段なら絶対買わない

↑こんなのや

しまいには

家庭科の教科書に載ってる

こんな図すらも、、

輝いて見える、、！！

こうなったら立派な

プレビギナーです。

あのですね、いいですか。

減量の過程にはレベルがあると仮定します。

全4レベル

・プレビギナー／Pre-beginner

・ビギナー／Beginner

・アドバンス／Advanced

・エキスパート／Expert

五感が訴える感情には。それぞれのレベルによって差異があると感じました。

よろしいでしょうか、これは警鐘です。

後世に続く世代が

金輪際、昭和の先輩方はじめ健太君や俺みたいな悲劇を繰り返さないよう

レベル毎に感じた症状を解りやすいようにセクシーにクールに解説しようと思いますね。

まず上記で述べた↑状態がプレビギナー／Pre-beginner（62キロ→55キロ／7キロ減）

ちなちに高1の頃。ロンバケが霞んで代々木公園で迷子になった時がこの状態です。

今思えばこんなの序の口でしたね。

その次。

ビギナー／Beginner （62キロ→54キロ／8キロ減）

「食べ物のエネルギーを過敏に感じる。」

みなさん普段。おにぎり、パン、バナナ、カロリーメイトなど。手軽に食べれる食品を食べて

うおおおおおお！！！！チカラ湧いてきた！！！！

って思うことあります？

おそらく、ほとんどの人がありませんよね。

この段階になるとオシッコもウンコももう出ないし。

生活するのが、そろそろシンドいんですよ。

でも夕方の部活には″元スーパー高校生″の星先輩が待ってますから。

その前に食べ物をチャージ。

すると、、、うおおおおおっ！漲ってきてきた気がする、、！

これがビギナー／Beginnerです。

続きまして

アドバンス／Advanced（62キロ→53キロ／9キロ減）

正直、全4レベルの中でこれが一番キツいかもしれない。

顕著な特徴としては

「自分のお母さんと本気で殴り合いのケンカしたとしても確実に負ける。」

マジでそんなレベル。

だって、もう部活前の食べ物チャージも、水分さえもほとんど控えてる時期ですから・・

掃除用の水道さえも

水たまりすらも光輝いて見える・・

階段上るだけで息切れします。

そして、お尻の肉が失くなりすぎて教室のイスが痛くて座っていられない。

あと足裏の肉も失くなりすぎて素足でアスファルトに立つのが痛い。

授業受ける事さえも困難なレベルですから部活以外の時間は一日中、保健室で寝てます。

人間が生活する上で必要といわれている要素のひとつが完全に欠けると、まともに生きれないってことがよく解ります。

下手したら餓死しますので

まさに生と死の狭間にいる状態でしょうね。

エキスパート／Expert（62キロ→52キロ／10キロ減）

シャワー室で後輩の誰だかに肩をポンポンと叩かれて、ようやく大航海を成し遂げたことを認識したんですね。

どうやら体重を測ったあとしばらく意識朦朧として倒れていたらしいです。

一番驚いたのは生命力

人間が生きようとするチカラって凄えなって思いました。

だって餓死寸前で全然起き上がれなかったのが、その体勢のまましばらく休んでると

何も口にしてないのに、起き上がれるようになって。そのうち普通に歩けるまで自然に回復しました。

でもこの状態が全4レベル中、ある意味一番楽かもですね。

なんせ、もう動かなくていいから。

健太君のいう「相当の根性があれば10キロ落ちるよ」を鍼治療にもサウナにも行かず自力で成し遂げた。

その達成感にしばらく浸っていると

耳を疑う知らせが入ってきました。

・・減量は全4レベルじゃなかった。

さらにその上、5レベル目

アルティメット／Ultimateというのがあるらしいのです、、

だって明日の計量で全ミッション完遂でしょ？

え、何？その翌日の団体戦を戦い終わった数時間後に、今度は個人戦の計量がある？！

また落とすの？

ふぁっ？！

つづく

次回「餓死寸前のところで一旦増やし、戦って、また減らして。よくあれで死ななかったなっていう」 ←読めます。

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