岡市 尚士

岡市 尚士

2019.04.10

プロレス好きのバンドマンが柔術黒帯になるまで 第19話「東北の英雄」

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近年の菊池雄星、大谷翔平らの活躍や、彼らの出身校花巻東ほか他校の高校球児の奮闘もあり岩手県が全国に名を轟かせる事が珍しくはなくなった昨今ですが

平成初期までの岩手県といえば東北ローカルタレント「伊奈かっぺい」に代表されるような、いかにも田舎臭が漂うアイコンぐらいしかなく

夢を見たい子供にとって、この田舎イメージというのは決して喜ばしいとはいえない時代で小六の俺は山田レスリングクラブで汗を流しながらも花の都・新日本プロレスを指をくわえて眺めておりました。

都では蝶野正洋が昨年の第一回目に引き続き二度目の夏を制し

週刊プロレスの紙面越しで俺に「チキンウイングアームロック」を教えてくれた小林邦昭(参照)は越中詩郎、木村健悟、そして抗争相手だった誠心会館と結託し、反選手会同盟(のち平成維震軍に改名)を結成

そんな1992年(平成4年)小六の夏。

IBC岩手放送でこんな番組が放送されました。

「青春のバックドロップ」

主人公はのちのザ・グレート・サスケの中の人。本名が気になる方は各自ネットで調べてください。

たしか日曜日夕方頃の時間枠に岩手県でしか放送されなかったこのローカル番組を、県内でもどれだけの人が覚えているでしょうか。

彼のメキシコ遠征中の日常を追ったドキュメント風の内容で、現地で名乗っていた覆面レスラー「ニンジャ・サスケ」としての試合シーンも流れましたが

素顔での日常風景が番組の大半を占めていました。

ちなみにサイドストーリーとしてメキシコの下宿先の息子(いじめられっ子)との交流

当時所属していたユニバーサルプロレスの後輩・佐藤茂樹選手(現ディック東郷)も同じ下宿先に住むメキシコ遠征仲間として取り上げられました。

また本人のプロフィール用VTRとして

・高校時代、学生プロレスに励む様子(今につながる空中技を脚立上から繰り出したり、当時ブームのUWFスタイルでキックの練習をしてる映像も)

・上京後、新日本プロレス学校に通いプロレスラーを目指しながら、深夜のガラス清掃のアルバイト

・ユニバーサルプロレスリングで「MASAみちのく」としてデビューした後も、まだガラス清掃のアルバイトは辞められない

といった映像資料が紹介されました。

雑誌で「MASAみちのく」の存在は知っていましたけど動いて喋る彼を見るのはこの番組が初めてで

プロレス気狂い小学生のハートは、このサスケ青年に簡単に持っていかれましたね(笑)

それは試合シーンでの本場ルチャ戦士顔負けの空中技もそうなんですが、インタビューシーンでの彼の言葉には妙な説得力があるように聴こえるんですよね。

まあ、のちに岩手県議会議員にまで成るくらいなので納得っちゃあ納得なんですけど

そんなビデオ録画したこれを俺はたまに見返しているんですが、大人になって以降

小学生の頃には気付かなかった「ある不可解な点」が、引っかかるようになりました。

それは映像資料として使われた

「高校の学生プロレス時代」と「新日本プロレス学校ガラス清掃バイト時代」

これって明らかにテレビカメラで撮ったような編集のされ方で「え?当時からテレビカメラが追ってた?」といわんばかりの作りなんですね。

プロデビュー後の「MASAみちのく時代」の映像が残ってるのは分かるんですけど、プロレスラーになりたいだけの高校生を卒業したその後もテレビ局がわざわざ東京まで追いかけて撮るかね?

岩手ローカル局はネタが少ないからだろ、とナメてはいけません。

俺は20代の頃、自分のバンドをIBC岩手放送だけではなく岩手県のテレビ局全部に売り込んだことがありますがほとんど相手にされませんでした(笑)

そんな自身の経験と照らし合わせて考えてみても

サスケ青年のプレゼン能力がいかに長けていたか/そしてIBC岩手放送もこのサスケ青年をいかに買っていたかが計り知れます。

ひょっとしたらこうした体制の下「みちのくプロレス」計画は表面化で進んでいたのかもしれません。

とはいっても「青春のバックドロップ」のインタビューシーンではユニバーサルからの独立についても、それらしい野望も一切、口にしておりません。

しかし番組の視聴率や、その後の反響から

将来的に採算が立つ!と見込まれたためIBC岩手放送の全面バックアップでGOとなった、…というのは俺の勝手な推測です。

この番組直後、メキシコ遠征から「ザ・グレート・サスケ」という新リングネームで、ユニバーサルプロレスに凱旋帰国

それから、たった2ヶ月後

「みちのくプロレス設立」は発表されました。

以降の活躍はみなさん周知の通りです。

岩手の「県章」を模したマスクで、やがて全国区に躍り出ていく彼の活躍ぶりに

「岩手県人として堂々と勝負に出なさい」と我々、田舎イメージにうんざりしている連中は語りかけられているような気さえしました。

そして何よりプロレス人間にとってみれば、それまで藤原喜明、エルサムライ(松田納)のように花の都・新日本プロレスに入門するしかなかった時代に

岩手に居ながらプロレスラーになれる道を切り拓いた功績は、県の偉人と呼ぶに相応しい偉業でしょう。

そんな東北の英雄の″夜明け前作品″ともいうべき「青春のバックドロップ」が俺は好きでした。

もしも東日本大震災の津波で流された私物の中から、どれかひとつ復元できるとしたら迷わずこのビデオテープを選ぶでしょう。

そして日本のどこかでこのVTRを持ってるという稀有な方がいらっしゃいましたらYouTubeへのアップを希望します(笑)

つづく

次回「売店のオジサンですらデカかった新日本プロレス


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この記事を書いた人

岡市 尚士

岡市 尚士

ブラジリアン柔術黒帯。第17回茶帯全日本ブラジリアン選手権大会優勝。茶帯全日本マスターズ選手権優勝、茶帯全日本ライトフェザー級2位、JBJJF全日本マスターズ選手権マスター1紫帯ライトフェザー級優勝、全日本コンバットレスリング選手権大会/58キロ級3位、レスリング岩手県高総体/52キロ級準優勝、レスリング岩手県民体/56キロ級準優勝、レスリングジュニアオリンピックカップ/48キロ級3位と多彩な実績を持つ。

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