まあ予想はしてましたけど、ブラジリアン柔術は全く楽しくありませんでした（そんな入会初日の模様は、前回こちらから）

しかし今までの人生を支配してきたバンド生命が尽きこのまま手を離したら人生が喫煙とオ◯ニーだけの空に消えていくのは明白であり

初日のガチスパーで切ったであろう口内を守るためのマウスピースを後日、新宿イサミに買いに行ったのは ″そんな人生″に飛んでいってしまわぬための決意表明みたいなものでした。

そんな入会から1ヶ月ほど経った頃

コールセンターの休憩中、チームホージャマシャードの会長からメールが

「最近見ないけど、どうした？もしかして″あの件″で来なくなったとか？元気出して道場に来なよ」

みたいな感じの

…はい？

いや、単純にレコーディングが立て込んでおりましたので、ここ数回は行けてなかっただけです。

俺、辞めませんよ？

（全9項目）

◼︎ブラジリアン柔術は入会しても、すぐ辞める人がめちゃくちゃ多い《1/9》

たった数回だけ道場に行けなかった俺の身を、会長が案じてくださったように

ブラジリアン柔術は辞める人がめちゃくちゃ多いのも特徴（？）なんですね。

もしかして未経験のみなさん、なんか柔術に対して、勝手にイメージ作ってません？

道着を着てるのもあって、なんかこう「奥義」的な

こんなん有り得ませんからね。

たとえ「はーい。じゃあ今日習った技を実際に使ってスパーリングしてみましょう」と言われたとしても

初心者同士が戦った場合

ほぼほぼ喧嘩みたいなスパーリングになる

もしくは喧嘩みたいなスパーリングで、片方が一方的にやられる

こんな風に綺麗にやっつけられるようになるのは

「青帯」以上の慣れてる人だけです。

そんな現実がイヤになるのも、入会してもすぐ辞める人が多い要因のひとつなのかなと思います。

ところで会長が俺の身を案じた″あの件″って

…何だっけ？と思い出したら

そういえば、こんな事がありました。

◼︎あの件《2/9》

入会早々、道場のトイレでウンコをしておりましたらトイレットペーパーがきれてる！…

そんな事があったんですけど

ストックを探して、頭上のラック、洗面所下の収納、便器の後ろ、トイレ内のどこを見渡してもストックがない！

だから仕方なく、トイレの中から

「すいませーん！！助けてくださーい！！」と世界の中心で愛を叫ぶの森山未來みたいに何回も叫んで

ようやく気付いてくれたホージャマシャードの皆さんでしたが、よりによって道場内のBOXティッシュ他、ペーパー類が全部、きれてる！…

そして先輩の皆様、所持品の中にポケットティッシュを誰一人として、残念ながら持っておらず！という、そんな奇跡的な日だったので

私、肛門にこびりついたままの「ウンコ難民」として数分間、トイレに軟禁されざるを得ず

わざわざ車内まで確認しに行ってくださったTJ先生のBOXティッシュによって、ようやく救われた。

…そんな事があったことを思い出しました。

なんだか武藤敬司が新日本プロレスに入門して早々、辞めようとしたら山本小鉄に引き留められて、それが嬉しくてプロレスを続けたってエピソードと重なり

ウンコも、こびりつけてみるもんだな！と会長からのメールに嬉しくなりましたね（笑）

ちなみにウンコ事件じゃなく、道場にしばらく行けなかった真相であるレコーディングで出来た作品が

俺にとってコーチガリー在籍中、最後の作品です。

◼︎余談ですが、こちらがウンコ事件の裏で録られたバンドマンとしての遺作です《3/9》

「家族時間〜NHKみんなのうたカバー集〜」という、トリビュート・アルバムなんですけど制作サイドから充てがわれたカバー曲というのは

エレカシ宮本浩次さんが10歳の頃、歌い手を務めた「はじめての僕デス」という曲でして

なんと加藤茶によるカバーも存在し「東村山音頭」と両A面で発売されていたらしいです。

そんな歴史のある曲のコーチガリーによるバージョンこちらから聴けます。

我ながら仲々良いベース弾いてますね（笑）Bメロの休符の長さを箇所ごとに変えた絶妙なアレンジに何人が気付いたでしょうか（笑）

そして何とこのアルバムにはあの「eastern youth」「キリンジ」も参加されていたんですね！！

今頃、初めて知った（笑）

そんな大物達と一緒に収録されているにも関わらず、全く気に留めていなかったほど、もうバンドへの関心が無くなっていた事が伺い知れます。

職場のコールセンターでの休憩中、喫煙所で仲間達と話すもっぱらの話題といえば

やはり「ブラジリアン柔術」を始めた事でした。

でも、そういう時

決まってこう言う奴が出てくるんですよ。

「タバコ辞めた方が良いよ」と

はぁ？

何、言ってんの？

◼︎禁煙した事で、もしブラジリアン柔術が続かなかったらどうすんだ！バカ！《4/9》

なんで、おめーらはそうなのよ！

小学生でもあるまいし、なぜ「意識高く、頑張ろう」っていう破滅を早めるだけの美学から大人になっても抜け出せねえのさ！

ただでさえブラジリアン柔術が続くかどうかなんて、まだ分からないセンシティブな時期なんだから！

これで禁煙も一緒に始めちゃったら二重でツラくなって、ブラジリアン柔術辞めてしまう確率が高くなるだけだろうが！

…と、喫煙を続けていた俺が断言します。

別にタバコを吸っていても強くなれます！

そして、のちのち禁煙した俺が断言します！（紫帯の後期にタバコを辞めました）

ブラジリアン柔術が続くのと、禁煙が成功するのは、同じくらいの難しさです。

だから柔術始めたばかりで、それと同時にタバコ問題でも悩んでる人は安心してください。

別に辞めなくても良いと思います。

もし「タバコ吸ってたら強くなれねえぞ」って誰かに言われてるのであればその言ってる人、柔術のやり方を間違ってる可能性があります。

ただ喫煙ルールだけは守りましょう！（かつて山手線の車内で堂々と吸ってたお前が言うなって話ですけど…汗）

そんな「持論」を喫煙所で展開し、ブラジリアン柔術を辞めちゃう確率をグンと下げましたけど

またしても、俺の行く手を阻む

新たな「壁」が…

今度は、道場内に現れました！

◼︎出た！フィジカル白帯先輩！《5/9》

これは4年前に「フィジカル先輩に負けるな」という記事でも書きましたけど、さらに詳しく書きますね。

入会当初は、早く慣れたい気持ちもあって練習開始の10分くらい前には道場行ってたんですけど

いつも居るんですよ。

俺にとっての″フィジカル白帯先輩″

八田さんが（ストライプルオハナの八田亮選手じゃないよ）

いつも早めに来てる。

当時ホージャマシャードの練習開始は、確か20時からだったんですけど

皆さん20時を過ぎた頃からパラパラと集まり始めて、TJ先生もそのあといらっしゃるので、結局テクニッククラスが始まるのが20時20分くらい

それまでの空白の30分

八田さん「スパーやろうぜ」

タイマーもかけずに30分ノンストップ

入会して一ヶ月も経たない内に、この流れが定着してしまいまして

お互いまだ下手だから、そりゃもちろん喧嘩みたいなガチスパーで

しかも八田さん体重が俺より二階級上のライト級前後15キロくらい重いから

どうしてもフィジカル負けしちゃって、ずっと一方的にやられ続けるので

TJ先生のテクニッククラスが始まるころには、すでに心身共に衰弱してる状態で…

せっかく柔術を続けたい気持ちになってんのに！

入会早々これはヤバイぞ・・

そんな時！

あなたならどうする…？！

①八田さんのフィジカルに負けないようウェイトトレーニングを始める

②いやグー（パワー）に対してはパー（テクニック）だろ！もっと技術を研究する！

③いや耐える！耐えて気持ちを強くする！

俺が選択したのは

④の「逃げる」でした（笑）

◼︎八田さんと私の「逃げるは恥だが役に立つ」《6/9》

数年前こんなタイトルのドラマが放送されましたけどこの言葉の元々の由来はハンガリーのことわざ「Szégyen a futás, de hasznos.」

＝「恥ずかしい逃げ方だったとしても、生き抜くことが大切」という意味だそうです。

上記に例として挙げた①②③も決して間違いではないと思うんですよ。

でも我慢して八田さんの相手してる内に柔術がキライになってしまったら、どうするんですか？

だから俺は先ずは八田さんを避けた。

代々木上原駅西口を出てすぐのところに小さな公園があるんですけど

そこでタバコを吸いながら、TJ先生が道場に到着する5分くらい前の20時10分頃まで待機していました。

生き抜くため、しばらくはこの公園に居るべきだと

もし、あのまま八田さんとの30分ガチスパーを我慢し続けて、仮に柔術を辞めようもんなら

死に際、ふと八田さんの事を思い出して

枕元に立つだけじゃ腹の虫が収まんねえから顔射でもしてやろうかな！ってなもんですけど

でも「逃げる」という選択をして、本当に良かったと思うのは、柔術を続ける事が出来たのもそうですけど

「八田さんより強くなるのに、別に八田さんとのガチスパーを続ける必要は全く無い」という事が分かった

それが一番の収穫です。

公園待機を取り入れた後も八田さんとのスパーは避け黒田さん、酒井さん、石田さん、ニセさん、向後さんはじめ尊敬する青帯以上の先輩達とだけスパーをするように心がけました。

そして八田さんとほぼ接触する事なく、ほんの数ヶ月で ″八田超え″を果たせたのです。

これって「あの30分ガチスパーには何の学びも無い！むしろ、ヤル気を削ぐための弊害でしか無かった！」という事の大いなる証拠であり

これは、その後の柔術への取り組み方を形成していくその大元となった原風景で、新入りの頃にこれを体験できたのはラッキーでした。

だから日本各地のどこかに、そんな八田さんのような ″フィジカル白帯先輩″の圧力スパーに悩まされていて柔術を続けようか迷ってる初心者の方が、もしも居るのだとしたら、あの手この手で避けましょう。

その先輩とのスパーは別にあなたを強くはしません。ハッキリ言って柔術を続ける上での弊害でしかない！と強く言いたいです。

ただ、ひとつ八田さんに感謝しているのは

俺がずっと柔術の戦術的な面で一番大切にしている「いかに真正面から抗わないか」というモットーを、かなり早い段階で植え付けてくれたので

その点に置いては本当に感謝しておりますので、文中ではボロクソ言ってすいません。

ディープキスしたいくらい感謝してます。

では他の白帯の仲間達は、俺が八田さんを避けてた時どんな心境でホージャマシャードに通っていたんでしょう？

◼︎個性豊かな白帯の仲間達《7/9》

当時、八田さんと俺以外に

チームホージャマシャードに頻繁に通うレギュラーの白帯メンバーは4人ほどおりまして

田口くん、荒川さん（女性）、河合くん、宇田くん

まず、田口くんと荒川さん

「柔術を続ける」という観点で、この二人は俺が入会した当時から別格でした。

柔術は、あくまでもライフスタイル

「自分は自分、他人は他人」

とにかく長いスパンで物事を見れる人達で、俺みたいに精神的な危うさを抱えてる人間から見れば、すでに達観しているように見えました。

共通しているのは二人とも高学歴

同じ岩手県人の田口君は盛岡一高（岩手で一番偏差値が高い。もしも山田町から一高に行く生徒が出たら、東大に入った！くらいの騒ぎになるレベル）を卒業

荒川さんは塙先輩の医学部の後輩で、現在、女医さん

二人ともブラジリアン柔術なんか話にならないほどの難関を乗り越えてきた人生の道中でチームホージャマシャードに入会していると思われますので頭のつくりが我々とは違うのだと思います。

だから他人の昇帯がああだこうだ、ガチだライトだで心が揺らいでる全国のブラジリアン柔術愛好家達は、田口君か荒川さんに弟子入りしろ！

そんな人達です。

そして俺と同い年で、同じ登戸に住む河合くん

白帯メンバーの中では最も模範的な練習の取り組み方をしておりまして

TJ先生のテクニックをかぶりつきながら見聞きをし、全情報をメモする姿にめちゃくちゃ関心しました。

俺なんか「砂嵐」みたいな柔術の風景にボンヤリ輪郭が浮き出てくるまでは待とう、と

あえて余計な情報を入れないでおこうとしているんですけど、それとは正反対ですね。

フィジカル派ではないけど白帯メンバーの中では一番テクニカルな柔術をやろうとしている。

八田さんからのガチスパーの申し出も全然嫌がらず、断らない。周りへの気遣いも完璧

将来は、それこそ今でいう「モダン柔術」の先駆けのような柔術家に河合くんはなるでしょう。

そして最後の一人・宇田くん

この宇田君が俺と並ぶ、どうしようもない「ガチ男」でして

俺と同じで喧嘩みたいなガチスパーしか出来ない。

そんな俺ら二人とも八田さんには一方的にやられるんですけど

俺らが戦うと、まあまあ釣り合いが取れる（笑）

どっちも60キロくらいで

お似合いなガチコンビだと思ってたんですけど

そんな、ある日

宇田君にスパーをお願いしたら

断られました。

…え、なんで？！

◼︎八田さんを避けてた自分が「誰かにとっての八田さん」みたいになってる可能性はないかい？《8/9》

何やら宇田くんの主張だと

喧嘩みたいなスパーで一方的にやられるのがイヤだと

…え、それって

俺が八田さんに抱いていた感情そのままじゃん…

人は

自分が″被害者″の時は、過敏なくせに

″加害者″の時は、割と無自覚である

これを宇田君を通じて思い知らされました。

大丈夫ですか？！

ガチスパーされた！と、ギャーギャー喚いてる人達

そんなアナタ自身が、誰かにとってのフィジカル先輩になっている可能性は、ありませんか？

◼︎白帯達のその後《9/9》

上で別格だと申し上げた二人、田口くんと荒川さんは言わずもがな柔術を続けております。

田口くんは大学を卒業し故郷／岩手県に帰ったのち「盛岡ブラジリアン柔術アカデミー草柔会岩手」所属

荒川さんは勤務先の関係上、各練習会に参加しつつ、まだコロナが落ち着かない状況下のため正式な所属先が定まっていないらしいんですけど

俺が見惚れる荒川さんに柔術を続ける心構えを教えて頂きたい！という初心者の方は俺に連絡くだされば、荒川さんと繋げます（笑）

そして俺を苦しめた八田さん

俺が青帯になる前には、もう道場に来なくなりました。

そして白帯メンバーイチの模範生／河合くんも…

まさか、八田さんと同じく

俺が青帯になる前には、もう道場に来なくなりました。

そして最後の一人・俺と並ぶどうしようもないガチ男だった宇田くん

あれから12年経ち…

てっきり辞めただろうと思っていたんですけど

向後さんのFacebookで、そんな宇田君が柔術歴12年にして青帯になったことを知りました！

地元・富山県で地道に柔術を続けていたみたいです！

ちょっと凄くないですか。昇帯なんか関係ないという考え方が柔術界には存在しているにしても

みなさん青帯になるまで12年続けられます？

それにしても

白帯のみんなを制圧していた八田さんと

忖度も完璧で模範生の河合くんが辞めて

嫌な奴とのスパーは堂々と断る忖度知らずの宇田君と

逃げてるのがバレないように逃げていた臆病者の俺が

ずっと続いているというのが

とても不条理

しかし、だからといって柔術を辞めた人達の人生を、とやかく言うつもりなんか全くございません。

柔術なんかやってても不幸になった人達は居ますし、柔術なんかやらなくても幸せになれる方法は世界中のどこにでも転がってますから

ただ、柔術の世界に居るうちは

「続けていること」が絶対的な正義だ！ってことだけは強く思うのです。

だから根性なし！臆病者！ヤル気ナシ男！ガチ男！

そう言いたい奴には言わせておけ！なのです。

誰にも忖度なんかすんな！これからも自分のためだけに柔術をやれ！

…と、今回の文章を書きながら、改めて思い直し

コロナが落ち着いたあとの家族旅行は富山県に行きたい！と思っちゃいました。

そうだ、富山、行こう。

ガチスパー、宇田くん、お願い。

つづく

次回「雑なパスガードに明日はあるのか？ 〜圧倒的なブラジリアン柔術こそ平和の象徴である〜」←読めます。

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