こんにちは。大野です。今回は、投げ技の崩しのタイミングと身体の使い方の話をします。

 

通常の柔道の投げ技の場合、1、2、3の拍子を取って投げる場合は、1で一歩目の足を踏み込み、2で二歩目の足を踏みつつ相手を崩して、3で投げます。この場合、上半身が大きく捻転するために、相手を崩すのにものすごく大きな力が出ている感覚になります。また、投げが失敗した時には捻れた体勢でもろに相手の体重を浴びせられるので非常に腰を痛めやすいです。多くの柔道家の方はそれを人間離れしたフィジカルでカバーしているようです。

ところが、これを1で一歩目の足を踏み込むのと同時に(あるいはわずかに先行して)上半身を動かして相手を崩すと、全く別の系統の技術である、一拍子の崩しができます。これのメリットはなんといっても素早いことです。この技は最初の踏み込みで崩しが完成します。1で崩しが入ってもう技がかかっているわけですから、その後はほとんど抵抗されず2の回転(または刈る準備)、3の投げまで決まります。また、身体を捻らないのであまり力を入れた自覚なく投げが決められます。さらに身体が捻れていないので、強靭な肉体でなくてもケガのリスクが少なく技をかけにいけます。

ただし、とても難しい技術なので修得するのに長い時間がかかります。特に他のスポーツ歴が長い人や、小さい頃から捻って力一杯に投げる柔道をやっていた人にとってはとても不自然な動きに感じるので修正が困難です。

 

色々語りましたが、できれば「こんな技法もあるんだな」と温かい目で見守ってください。

 

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この記事を書いた人

大野真人

大野真人

池袋東口で主に総合格闘技クラスとグラップリング(寝技)クラスを教えています。 総合格闘技、柔道、伝統空手、ブラジリアン柔術、日本拳法の格闘技経験があります。 トイカツ道場の元会員で、当時から主に昇侍先生に総合格闘技を教わっていました。 クラス以外でもシステム開発課長、事務員として勤務しています。

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