私はプロボクサーからプロキックボクサーになったので、『ボクシングとキックボクシングの違い』についてよく聞かれます。

同じ格闘技というくくりの中ではありますが、両者は完全に別競技です。球技で言うと『野球とサッカーの違い』くらいのイメージだと考えてください。嘘です。そこまでは違わないです。失礼しました。

ボクサーからキックボクサーになる時に感じたことをちょっとまとめてみたいと思います。

両者に共通していて、比較対象としてわかりやすいのがやはり『パンチの打ち方』です。

ボクシングとキックボクシングのパンチの一番の違いは『足(下半身)の使い方』です。もっと細かく言うとシフトウェイトの仕方とシフトした側の足の使い方です。

ボクシングのパンチでは、下半身でシフトウェイトをしっかり行います。この時重心は真ん中から片方の足(または片方の足から反対側の足、他)に移動します。重心移動をパンチの力に変換するこの打ち方は、非常に簡単で効率よくエネルギーを発生させることが出来る打ち方です。

ただし、左右の重心移動をパンチの力に乗せる時は、シフトウェイトした側の足はやや沈み込むように踏ん張り、壁を作らなくてはなりません。沈み込みながら重心を移してパンチを打つと、発生した大きな力がシフトウェイトをした足にかかります。大きな力を受け止めるために、重心を移した側の足は踏ん張る必要があるので、スタンスは広めに取らなければなりません。またシフトウェイトをした側の足は壁のようになり、シフトされて来るウェイトを一旦受け止めてから、パンチの力を出力する方向に発射する発射台のような役割を果たします。

この状態では、足を上げることが難しくなります。つまり、蹴ること(足による攻撃)もカットすること(足による防御)もしづらくなるのです。なので、キックボクサー(特に蹴り中心の選手)は沈み込むような大きなシフトウェイトをパンチの力の発生源に使いづらくなります。

蹴る時の下半身の使い方は、蹴り足自体よりも軸足の使い方が重要です。パンチとは逆に沈み込まずにシフトウェイトをして軸を作り、その軸を中心に上にやや伸び上がるように蹴り足側の半身が回転します。つまり軸足を中心に、シフトウェイトした力をそのまま回転させて前方に送ります。沈み込む反動で強く打つ蹴り方もありますが、放つのに時間がかかります。蹴りは片足で行う行為なので、なるべく早く軸足になる足に重心を移して回転軸を作る必要があり、スタンスが狭ければ狭いほど速く片足立ちになれます。つまり、蹴りの初動の速さは片足立ちになる速さと深く関わっているので、スタンスが狭いほうが効率的です。

こうなると、スタンスを広くして軸足で壁を作り踏ん張ってパンチを打つことが難しくなって来ます。

つまり、蹴り主体のキックボクサーの場合、沈み込む(壁を作る)シフトウェイトを捨てることで蹴りやすい状態を作っているのです。強いパンチを打つことを一部放棄して蹴りの動きに比重を置いているわけです。

ボクサーは足を上げる必要がないので、下半身はスタンスを広くして踏ん張ることが出来ます。これはパンチ主体のキックボクサーも一緒です。蹴りを捨てることで強いパンチが打てる状態を作っていると言えます。

ちょっと話がそれますが、シフトウェイトを大きく使わないので、キックボクサーは頭の位置があまり移動しなくなります。蹴るための回転軸になる頭を含む体幹をあまり動かさない方が蹴りやすいというのもあり、パンチに対するディフェンスは、頭の位置を変えないブロックや腕を前方に伸ばすタイガードが中心になって来ます。

したがってキックボクサーのパンチの打ち方は、主武器によってシフトウェイトに程度の差はあれ、蹴りの軸になる体幹をあまり左右にブラさず、肩甲骨を中心に上半身の力を強く使い叩きつける打ち方が主流になります。

このパンチの打ち方の違いは戦い方の違いであり、キックボクサーで蹴り主体パンチ主体の違いはそれぞれの特性や嗜好による選択の問題ですね。

ちなみに私はボクシング出身なのでパンチ主体なんですが、蹴らない主な理由は『生脛で蹴るととっても痛い』です!

続く!

あとBBQ楽しかったです!

『トイカツ道場』
・「都内最安値」→月謝8,000円!
・「出稽古無料」→全18店舗通い放題!
・「朝活朝格」→朝7時〜夜23時まで年中無休!
・「格闘技の食べ放題」→あらゆる格闘技が習い放題!
・「手ぶらで格闘技」→ウェアタオルセット500円!
・「0円キャンペーン」→入会金無料!月謝2ヶ月無料!
【無料体験・WEB入会】はこちら→https://tkdj.net/trial/

この記事を書いた人

トイカツ道場 管理部

トイカツ道場 管理部

トイカツ道場 管理部

カテゴリー/タグ

お問い合わせ

E-Mail:info@tkdj.net