大人達がこぞって土曜19時の全日本プロレス中継に舌鼓を打っていた1986年/昭和61年(前記事)

世界アニメ史に未来永劫、語り継がれるであろう作品のテレビ放送が始まった。

「ドラゴンボール」

保育園に全く馴染めない引っ込み気質のこんな俺でもみんなと同じ事を、さすがに思った。

悟空、カッコいい…!

そしてジャンボ鶴田では響かなかった6歳のハートが

響きまくっている…!

そして、強くなってみたい。

強さを売りにしている黒パンツ男達の闘いではなく、鳥山明先生の創作物から「強さ」というものが目の前に初めてぶら下げられて

とりあえず今日から始めたいんだけど

でも、どうやったら強くなれるのか解らない。

解らないなりにドラゴンボールを見終えたあとは目を閉じ坐禅を組んで「自分を高める」事をやってみる。

まずは精神からだろうと

そして、おそらくこの頃でしょう。人間的な初期設定が形成されたのは

以降「強さ」とか「カンフー」とか、そういうのに過剰に反応するような人生になる。

そんな俺が素通りするはずはなかった。

ある夜、金曜ロードショーで観た中国人に釘付けになった。

現実に、悟空みたいな男がいる…!

それを一緒に観てた母親が言った。

「お母さんジャッキーチェン好き」

言っておくが

母親は基本、うとい。

しかもこの頃は6歳、4歳、3歳の子育てで大変だったはず。そんな母親から好意の言葉が出てくるあたり

当時いかにジャッキーチェンが日本人にはお馴染みの存在だったのかを計り知る事ができる。

金曜ロードショーではジャッキー映画がしょっちゅう観れた80年代は、華の時代だった。

しかし↑↑これは俺の勝手な思い込みだった事が

この記事を書いてる最中に判明した。

こんなものを発見した。

全国ネットのロードショーとしてこれまで放送された全てのリストが閲覧できる。

日本テレビ(1972年~。曜日を変え現在は金曜ロードSHOW!として放送中)

TBS(1969年~1993年。曜日を変え最後は水曜ロードショーとして放送)

さすが現代というか。これを作成した特異な方に感謝である。

そしてこのデータベースを観て愕然とした。

どうやら俺は記憶を書き換えていた…

確かにジャッキーチェンは日本で人気者になった。

しかしテレビでのフィーバーは80年代の前半には早くもピークを迎えていた。

1983年、TBSは一年間で6作品もジャッキー映画を放送している。母親は3人目の子供がお腹の中にいたとはいえこの現象を目撃していたのだろう。

ところが、あの日「お母さんジャッキーチェン好き」と母親が言い放った1986年から数えて80年代のあいだ

その四年間のうちテレビ放送されたジャッキー映画は

日本テレビが6作品、TBSが5作品と、単純計算で一年で2作品以上は放送している事になるが

「しょっちゅう放送していた」とは言い難い。

勝手に書き換えたまま30年以上も放置していた記憶はそもそも何故、改竄されるに至ったのか?

その要因を考えたらあるキーワードにぶつかった。

「金曜夜の幻想」

昭和を生きた世代なら誰でも知ってるオープニング

濃過ぎるCM

ジャッキーの事を思い出すと、どうしてもこの時代の金曜ロードショーオープニングテーマが心に鳴り響く

80年代はいつも家族とジャッキー映画を観て過ごしていた、そんなイメージだった。

まあイメージだけで実際にはかなり違ったみたいだが

でもそれって金曜ロードショーというフォーマットにジャッキーが乗った場合、その熱量は増幅され

だから我々の記憶も、より濃厚に改竄されてしまったんじゃないか?!という考察も出来ます。

やっぱりレンタルビデオで借りてくるのと金曜ロードショーで観るのではコクが違いますからね。

そしてあの日、母親と観たジャッキー映画は上記データベースによるとどうやら「拳精」という事らしいんですが

俺はそれ以降、50作品以上を通じ

彼から多くを与えてもらいました。

胸アツのバトルシーンも

命がけのスタントシーンも

最高の笑顔も

でも実は、そのどれよりも

大きなものを与えられていた事に、この記事を書きながら気付かされ、ハッとした。

「美化された想い出」

これはジャッキーチェンと金曜ロードショーが、俺にくれた最大の財産である。

記憶は改竄されていたが、想い出も美化されている。

「あの頃は本当に良かった」

そう思えていて本当に良かった。

そして今回、当時の金曜ロードショー・オープニングテーマの曲名を初めて知り鳥肌が立っている。

「Friday Night Fantasy」(フライデーナイトファンタジー=金曜夜の幻想)

この記事にピッタリな曲名過ぎるにも程がある。

しかし、そんな美化された思い出にうっとりしていられるのも人生の様々な局面を済ませてきた今だから、こうやって金曜夜の幻想を回想出来るのだ。

当時はそんな余裕なんかない。

これから親子戦争に突入する。

「お母さんジャッキーチェン好き」

母親の何気ない一言だったが

長男は違った。初日からマジだった。

ジャッキーはじめテレビから流れてくる魅力的な情報への愛が強過ぎてやがてこじらせる。

そしてどうやら岩手は、テレビ局が少ないらしい。

その岩手の中でも我々は、映画館に行くことなど非常に困難な差別的な種族らしい。

これが癪に触った。

ヤサグレの目覚めである。

つづく

次回「1980年代カルチャーの光と闇

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この記事を書いた人

岡市 尚士

岡市 尚士

ブラジリアン柔術黒帯。第17回茶帯全日本ブラジリアン選手権大会優勝。茶帯全日本マスターズ選手権優勝、茶帯全日本ライトフェザー級2位、JBJJF全日本マスターズ選手権マスター1紫帯ライトフェザー級優勝、全日本コンバットレスリング選手権大会/58キロ級3位、レスリング岩手県高総体/52キロ級準優勝、レスリング岩手県民体/56キロ級準優勝、レスリングジュニアオリンピックカップ/48キロ級3位と多彩な実績を持つ。

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