塚原健二
努力に勝るもの
こんにちは、ファイトフィット錦糸町店の塚原です。
私が現役時代の話です。
17歳でボクシングを始めた私は18歳でプロデビューしました。
しかし、デビュー戦で無残な敗北を喫しました。
正直ボクシングの世界を甘く見ていたんだと思います。
その日から私の練習メニューはジャブだけの基本練習になりました。
トレーナーの構えるミットには左以外のパンチを打たせてもらえなくなりました。
インターバルもなく、その練習は私の腕が上がらなくなるまで毎日続きました。
腕が上がらなくなっても、トレーナーの容赦ない檄は止まりません。
当時の私は、あまりの自分の不甲斐なさから練習後によく悔し涙を流していたので、周りからは泣き虫な奴と思われていたに違いありません。
そんな私がデビュー3戦目にしてプロ初勝利を手にした際には20歳になっていました。
そんな私ですが、来る日も来る日もジャブを打ち、ジャブだけの練習を繰り返す事で気付く事がありました。
ジャブだけで相手をコントロールし、ジャブだけで相手を倒せるようになったのです。
もはや右ストレートを出す必要さえないのです。
特に細かい技術も必要ありません。
相手が動いた場所へジャブを打ち出っぱなをくじきます。
また相手がジャブを打つタイミングで同時にジャブを打ちますが、自分のジャブだけが当たり、相手のジャブは自分へは届きません。
何通りもの角度からタイミングやスピードに変化をつけ、左腕全体を柔らかく使うことで、ジャブだけでなく左から出したパンチはことごとく相手の顔面を捉える様になりました。
私が現役当時、よく担当トレーナーの木内先生からはスパーリング中に左以外は使うなと指示され行うことがありました。
4回戦選手はもとより、現役の世界チャンピオン相手にも左だけでいけと言われ、私はがむしゃらにそれを実行しました。
実際にある程度の選手相手なら左手だけで捌けましたし、左の突き合いでは誰にも負けないという絶対的な自信も持つ事が出来ました。
逆に自分の左が通用しなかった時や、上手く行かなかった時は、スパーリング終了後に悔し涙も流していました。
そうです。
私はただの泣き虫なんです。
また、それだけ自分の左には圧倒的な練習量からくる強い自信を持っていたのです。
自分にとっての武器を持つと言うことは、実戦を行う際に自信にもなりますし、心に余裕を持たせてくれます。
焦りや不安、恐怖心を無くしてくれるのです。
どんな境地に陥っても、自分には左がある。自分の左を信じるんだ。と言った強い気持ちを持たせてくれるのです。
私がボクシングを好きな理由は、ボクシングの練習というのは、決して結果を裏切らないという点です。
17歳からボクシングを始め、パンチの打ち方すら分からなかった私が、ジャブだけで世界チャンピオンとスパーリングが出来るまでになれたのです。
試合に負けたのも、自分より相手の方が辛く苦しい練習をたくさんしていたからなのです。
天才と言われる選手も最初は皆素人です。
努力を重ね、涙を流し、諦めずまた努力を重ねた結果、今天才と呼ばれるようになったのだと私は思います。
努力に勝る天才なし
なのです。
今貴方が歯を食いしばり、努力していることは決して無駄ではありません。
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この記事を書いた人
塚原健二
基本的にはジャブを主体にした足を使うボクシング指導が得意です。 ボクシングの楽しさを皆さまに伝えられる様なレッスンを心掛けてます。よろしくお願いします。
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2024.11.24 インストラクター33
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