「パンチを押して打っていると言われるのですが、どうしたらよいですか！？」
押しているほうがサンドバッグが揺れるので強く当たっているように感じますが、押しているパンチを打っているとフィットネスとしても競技としても本当にもったいないです。
押さずに打つことで、キレのあるパンチが打てるようになり、まわりの人からもうまく見られます。そして、押さずにキレのあるパンチを打つためには、次の3つを意識すると良いです。
①パンチを打つことよりも引きを意識する！
②サンドバッグを揺らさないようにパンチを打つ！
③打ったらすぐ元の構えに必ず戻る！
この記事を書いているファイティングラボバンコクの小林準は、キックボクシングでプロ30戦試合をし、また10年以上の指導実績があります。自分自身の経験と、会員さんのパンチの打ち方でも、押さずに打つパンチの重要性について身をもって痛感してきました。
押してるパンチはいけないのか？
そもそも押してるパンチはいけないのかという問題があります。
キックボクシングや格闘技を競技として取り組んでいる方の場合は、
・空振りした時に前にバランスを崩してしまう。
・戻りが遅くスキができてしまう。
・次の動作に移行しにくくなる。
・当たっているけど衝撃が弱い。
などのデメリットがあります。(ただ、キレのあるパンチを打っている中で、相手のバランスやガード、タイミングを崩すために、わざと押すパンチをたまに打つのは効果的な場合があります。)
キックボクシングなどの試合には出ないけどフィットネスして格闘技を楽しんでいる方も、押さないパンチのほうがパンチにキレが出てカッコいいです。格闘技の場合は1発ではなく、何発も連続でパンチを打ちます。そのため、押してしまうとどうしても次の動作への移行が遅くなってしまいます。
①パンチを打つことよりも引きを意識する
キックボクシングでもその他の格闘技でもパンチを打つことばかりに意識がいってしまうと、前に重心がいきすぎたり、押し気味になってしまいます。特に始めたばかりで強く打とうとする男性に多いです。(私もそうでした！)
パンチは引くことを意識すると、打つときのスピードも上がりキレが出てきます。
そういう私もパンチが押し気味になってしまい、バランスが崩れてしまったり、手の力のみになってしまうことが多かったです。
しかし、押しているか押していないかわからないとういう方もいます。その場合はミットで空振りをしてみるとよーくわかります。
特にストレートをミットで思いっきり打つ練習をしてる中で、適当なタイミングでトレーナーにミットを外してもらうと、
押しているか、押していないか
よくわかります。
私も見事に前のめりに転びそうになりました。要するに、押しているパンチはバランスを崩しやすいデメリットがあります。(ケガをする場合があるので、もしやる場合はトレーナーのもと気を付けて行ってください。)
また、すぐに引けているかどうかは、「パンチ⇒(同じ手で)ガード」の練習をするとよくわかります。これもミット打ちでパンチを打った瞬間にトレーナーに打ち返してもらい、それをガードする練習をすると、どのくらいのスピードで引けばよいのか実感できます。
②サンドバッグを揺らさないようにパンチを打つ
サンドバッグは揺れるほうが強く打っている気がして始めのうちは押してしまう場合が多いです。ただ押してしまうと当たった時の衝撃が弱くなります。
例えば、力が100あった場合に当たった瞬間だけ力を入れると100の力が伝わります。しかし、押す力に30使われてしまう場合は、当たった衝撃が70、押す力が30で、力が分散されてしまい当たった時の衝撃が弱くなってしまいます。
(例)100の力で打った場合
| (もともとの力) | (相手への衝撃) | (押してしまう力) |
| 100 | 100 | 0 |
| 100 | 70 | 30 |
もちろんサンドバッグがまったく揺れないということは不可能ですが、必要以上に大きく揺れてしまう場合は押してしまっています。そのため、力は入れるけどなるべくサンドバッグが揺れないように意識して練習しましょう。
当たった瞬間だけ力を入れられると、パンチにキレが出てきます。
③打ったらすぐ元の構えに必ず戻る
打ったらすぐ元の構えに戻るというのはパンチでもキックでも基本となります。特に「すぐ」というのが重要です。打った瞬間に「すぐ」です。先ほどのパンチの引きを意識するというのと同様になります。押しているパンチだとすぐに戻ることはできません。
逆にすぐ元に戻ろうとするとインパクトが弱くなりすぎる場合がでてきます。当たった時の強さは変わらずにすぐに元に戻れるように、サンドバッグやミットも意識して練習してみましょう。
それでもパンチを押してしまう場合には
パンチを引くこと、元の構えに戻る意識を持って練習をするだけでもパンチの打ち方が改善されていきます。少し意識するだけでパンチのキレがものすごく上がる会員さんもいます。
しかし、それでもパンチの打ち方が改善されない場合は、そもそものフォームから見直してみましょう。
手の力だけで手打ちになっている場合は押して打たないと打っている気がしません。そのため、パンチを押してしまいます。
手の力だけで打たないようにシャドーでフォームの練習からしましょう。足、腰、肩、手と連動してパンチが打てるようになると、フォームもキレイになります。そして、カラダ全体の動きで打ってカラダ全体の動きで元に戻るので、スムーズに戻れるようになります。
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この記事を書いた人
小林準
「ファイティングラボバンコク」に勤務している小林です。会員さんが楽しめるように取り組んでいきます。よろしくお願いいたします。
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