岡市 尚士

岡市 尚士

2020.09.17

雑なパスガードに明日はあるのか? 〜圧倒的なブラジリアン柔術こそ平和の象徴である〜 「プロレス好きのバンドマンが柔術黒帯になるまで/第131話」

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前回「喧嘩みたいなガチスパーしか出来ない私と白帯の仲間達による″逃げるは恥だが役に立つ″」を経て

ブラジリアン柔術をはじめて丸二ヶ月

まるで砂嵐みたいな柔術の景色の中、二ヶ月間ずっとキョロキョロし続けて

その景色がモザイクくらいにはなってきたような気はします。

そして「フ◯ラ市」という源氏名を授かったおかげでアウェー感が少し薄まりました。

入会当初こそ一匹狼を装ってたのですが、やはり俺も多少なりとも群れの中で生きてきた人生なので

どうにかチームホージャマシャードの先輩の皆さんとお近付きになれないか様子をうかがっていたところ

数回目の練習後、皆さんの会話を盗み聞きしていたら「これから変態パーティーに行く」という内容が聞こえてきたのに呼応し、心の中で「今しかないぞ!」と革命戦士らしき者の声が聞こえたので

「俺も連れて行ってください」と

塙さん、酒井さん、黒田さん、向後さん、ニセ先輩、同期で女性の荒川さん達の御一行に混ぜてもらって、行ったんですよね。

《全5項目》

◼︎日本最大級の変態アングライベント「デパートメントH」《1/5》

鶯谷の東京キネマ倶楽部という会場で定期的に行われている日本最大級と謳われる変態アングライベント「デパートメントH」

このプログラム中、目玉のひとつ「人を宙吊りにするサスペンションショー」の

人体にフックを突き刺す「刺し師」として道場の先輩でピアス職人の浅見さん(当時紫帯)が参加していた関係でホージャ御一行はこの変態イベントを観に行く流れになったと思われるんですけど

連れて行ってもらったデパートメントHで見た光景というのは

  • ビッグバンベイダーを彷彿とさせるラバーマスクと全身スーツからチ◯コだけが出た男
  • 白ブリーフ姿でチ◯コだけ出して歩いてる中年
  • 床で仰向けになり女王様にチ◯コを踏まれ続け悶絶している青年

そんなんが会場内そこらじゅうに居りまして

そんな変態達に囲まれて前方ステージで行われるのは浅見さん参加のサスペンションショーの他、キャットファイトだったり、裸体に金粉を塗りたくった女性によるショーだったり

このようなデパートメントHに私は、ついこの前まで自身がやっていた「わっかめん」に通ずるバイブスを感じてしまい・・

後日の練習後、デパートメントHの話題になった際についつい堪え切れずに、わっかめんネタをぶっ込んだこの一連の流れが、素敵な源氏名命名の発端であり

以後、忘年会における「ひとりデパートメントH」とでも呼ぶべきショーを晒せるまでに、チームホージャマシャードの一員として道場に溶け込むためには重要なプロットであった事は言うまでもありません。

余談ですが本家「デパートメントH」と、忘年会での「ひとりデパートメントH」その二つを前にしても、全く動じることがなかった荒川さんは何てストロングな女性なんだ!と思ってたんですけど

そんなもん笑わせんなってくらいにシリアスであろう医療の世界で女医さんとして活躍する現在の姿を見ればそれも納得です。

◼︎ブラジリアン柔術が「砂嵐」に見えていた原因はこれだ《2/5》

こんな感じでチームホージャマシャードの空気に徐々に馴染んでいった俺でしたが、だからといって柔術に早く慣れるかというと、もちろんそんなことはなく。相変わらず苦しめられました。

ただ、なぜU-FILE練習会時代には「荒波」程度だった景色がブラジリアン柔術では「砂嵐」までに見えてしまったのか?

それが分かりました。

その原因は「脚」

いわゆる「ガードの概念」です。

これは単純に競技スタイルの違いでもあるんですけどU-FILE練習会はプロ選手と、総合格闘技志望の大学生レスラー達で行われていたため

必然的に「レスリング」に割く時間が多く、お互いに「倒されまい」としているので

倒せた時点で、すでにサイドポジションを取れているという事が多かった。

それに対しブラジリアン柔術では自分からガンガン下になってもOK!っていうルールなので

ほぼ全てのスパーで「猪木アリ状態」に遭遇する

これだ!!

俺を困惑させていた原因は

それが分かった今、すべきことはただひとつ

◼︎ブラジリアン柔術で一番最初に覚えたのは「雑なパスガード」《3/5》

柔術には「パスガード」といって

「猪木アリ状態」を打破するため、まずは邪魔な脚をどけて抑え込むテクニックがあるんですけど

これがおそらく、一般の方々が思う200倍くらいの難しさなんですが

そんな難儀を元レスリング部とはいえ入会から二ヶ月のバンドマンが華麗にこなせるわけなんかなく

これが超絶しんどい…!

たとえば、ちょいと「おりゃ」って感じでやると

大体、失敗するので

それこそ金剛力士像のようなガッツと闘争心を持って「おりゃぁぁあああっ!!」ってやるしかない。

ただ、これをやっちゃうと5分間のスパーを乗り切るためのガソリンをほぼ使い切っちゃう。

そして、それは「雑なパスガード」と呼ばれ・・

おまけに、それまでは「初心者だけどガチ男」による喧嘩みたいなスパーだったのが

「雑なパスガードを覚えたガチ男」のスパーというのは周りも見れず大変に危なく

先生や先輩達の大ひんしゅくを買いました。 

特に、TJ先生とのスパーでは「そんなにババッと速く動くな!」と怒られ

青帯の先輩/二人いる池田さんの「ニセ」じゃなく「ウルフ」と呼ばれている方の池田先輩とスパーすると「お前らのスパーは危ない!」と注意されました。

先生や先輩達の見解だと

「腕を極めに行こう」という思いが強過ぎるのが

パスガードやその他のポジショニングが雑になってる原因なんじゃないの?と言われたりもしましたけど

そんなの、分かってるんです!!

ゆっくり焦らずじっくりコトコトやろうとはしてるんですけど、、

脚が、下から触手みたいに

ネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネチネ

あ!って崩れそうになると

ああぁ!もうっ!

…って、ついついなっちゃう

俺だってこんな精神を擦り減らすような柔術なんか、したくないんです。

ふと横を見ると…

茶帯(当時)の新井孝太郎先輩のスパーは

まるで

昆虫が戯れているかのよう…

◼︎新井さんのパスガードが俺の指標になった《4/5》

そんな昆虫みたく動かないように動いてる新井さんと俺がスパーすると

たとえ、どんだけ金剛力士像のようなガッツと闘争心を全面に打ち出して挑んだとしても

カンタンに張り付けにされちゃう

ここまでキレイにやっつけられると

人間は感動するものです。

そして、思いました。

未熟な技術を起因とした、雑で乱暴な柔術は

時として遺恨を生みますが

圧倒的なブラジリアン柔術の技術には

そんな民の感情を静圧する力が宿っている…

圧倒的なブラジリアン柔術こそ平和の象徴である

そう思わせてくれた新井さんのような先輩が入会当初近くにいらっしゃったことは、のちのち大きな財産となりました。

では「フ◯ラ市のスパーは危ない!」と指摘される、その要因である「雑なパスガードの延長線上」に

果たして、そんな平和な未来が待ってるのか…?

◼︎雑なパスガードに明日はあるのか?《5/5》

…無かったね(笑)

あくまでも俺の場合ですけど

このあと、間もなくして俺は、この雑なパスガードの一切合切を捨てることになります。

このままでは柔術を続けることが、しんどくなる!と俺の根性なしレーダーが察知したからです。

しかし、そんな雑なパスガードでも「短期的な効果」は発揮しました。

この頃、チームホージャマシャードの道場改修工事のため一定期間のあいだ、近所の道場「リバーサル」へ(現在のリバーサルジム東京スタンドアウト)

そこへチームホージャマシャードのみんなで出稽古に行っていた時期があったんです。

そのリバーサルでの練習でこんな雑なパスガードでもそこそこ闘えて、柔術歴二ヶ月の試金石と多少の自信にはなったので雑なパスガードも時として有効な武器になり得ました。

そして余談ですが、このリバーサル出稽古期間中に、石田さんが「あの白帯の子、足が効くよ」と言っていたのが現在ロータス世田谷所属/濱崎一登選手です。

そして、この「道場改修工事」によって

俺は人生を左右されることになります。

職場/コールセンターの後輩に元プロキックボクサーだったのがおりまして

そいつとの世間話で、なんとなく道場改修工事のことに触れましたら

「もし良かったら、僕が受け持ってるキッククラスに遊びに来ませんか?…総合の道場なんですけど、もしかしたらそのあとの寝技クラスも出れるかもですよ」

…と、まさかコールセンターの後輩から練習のお誘いを受けるなんて!なんですけど

「マジで?!行きたい!どこにあるの?」と聞くと

後輩は言いました。

「中野です。知ってます?トイカツ道場っていう道場なんですけど」

つづく

次回「2008年のトイカツ道場 〜十三年目の告白〜」←読めます。

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この記事を書いた人

岡市 尚士

岡市 尚士

ブラジリアン柔術黒帯。第17回茶帯全日本ブラジリアン選手権大会優勝。茶帯全日本マスターズ選手権優勝、茶帯全日本ライトフェザー級2位、JBJJF全日本マスターズ選手権マスター1紫帯ライトフェザー級優勝、全日本コンバットレスリング選手権大会/58キロ級3位、レスリング岩手県高総体/52キロ級準優勝、レスリング岩手県民体/56キロ級準優勝、レスリングジュニアオリンピックカップ/48キロ級3位と多彩な実績を持つ。

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