漆原季亮
『D r.Fの格闘技医学』まとめ③ 〜固有感覚〜
今回も沢山の著名な格闘家や、武道や格闘技をやっている知人が高く評価している本、『D r.Fの格闘技医学』の内容を纏めていきます! 今回の内容は、『固有感覚』です。
〜固有感覚〜
私たちは目をつぶっていても、自分の身体の状態をなんとなく把握出来ます。例えば、この文を電車の中で記入していた際、携帯を持っている左の肘が45°程曲がっていて、左の肩に2キロ程のカバンの重量がかかっており、足幅は骨盤よりやや開いており、頸部はやや屈曲していますが、それ位の情報は目をつぶってても把握出来ます。また、電車の揺れを知覚し、バランスを保とうとしています。これら身体の状態を把握してくれているのが固有感覚です。
固有感覚は大きく分けて4つ。
①位置覚(身体各部の位置)
身体の関節の角度や状態など。
②運動覚(運動の状態)
運動の加速度や運動の方向性の把握。
③抵抗覚(身体に加わる抵抗を感知)
押された際や押した際の身体にかかる抵抗など。
④重量覚(重量を感知)
物を持った際の重量感など。
これらの感覚のおかげで、私たちはバランスを取ったり、適切な運動をすることができています。
格闘技では視覚が満足に働かない時や、バランスが悪い中でも動かなければならない状況もでてきます。
なので、当書では、前項で説明した視覚情報を処理する能力と共に、この固有感覚の重要性やトレーニング方法が書かれています。
①閉眼の状態でのトレーニング
『目を瞑った相手に対し、パートナーが押したり軽く蹴ったりなどの外力を加えたり、あるいは寝技、首相撲を行います。受け手はその刺激に反応し、身体のバランスを保ったりなど反応します。パートナーは受け手を怪我させないよう目は開け、あくまでサポートの役割に徹しましょう』
というのが、当書に書かれていた一つ目の内容です。
上記のトレーニングは難易度が高く、パートナーがいなければ出来ません。一人でのトレーニングや、簡単なトレーニングから始めたい場合、閉眼片足立ちも良いトレーニングだと思います!
②バランスボール(不安定な状態)でのトレーニング
『バランスボールの上に膝立ちの状態で乗り、そこでシャドーを行います。はじめのうちは手打ちで始め、慣れてきたら肩や腰も入れていきましょう。
また、バランスボールに乗った状態で攻撃を受けていきます』
という練習も載っていました。
乗るだけや、乗って軽いパンチ程度なら簡単そうですが、そこに外力が加わると一気に難易度が上がりそうですね。
西日暮里店にもバランスボールがあるので、この本の内容を踏まえた練習をやっていこうかな。
ちなみに西日暮里の午後クラスでは片足シャドーが流行ってます。これも深部感覚のトレーニングですね。
③自然の中でのトレーニング
ランニングでも、技を打ち込む練習をする際も、筋トレを行う際も、安定性のある床や、左右対称な状態でトレーニングを行う場合が普通です。しかし、山や森、あるいは海など、不安定で予測が付きにくい様々な刺激が入ってくる場所でのトレーニングも、固有感覚を発達させるのに優れているとのこと。
※グレイシー一族は自然の中でのトレーニングを好んで取り入れているそうです。
当書に書いてあったポイントは、どんどんバランスを崩し失敗を繰り返すこと。固有感覚はトライアンドエラーの中で上達していくらしいです。失敗したところを人に見られてしまうのは恥ずかしいと思う方もたくさんいるかと思うのですが、そんなことはありません! トイカツ道場の理念でも、『失敗は成功の過程であり、助走である』とありますが、正に当書の、固有感覚の項で言っている通りですね(笑)
自分も失敗を恐れずどんどん挑戦していきます!
怪我には気を付けますが、どんどん失敗しバランスを崩しながら、崩れない身体、崩れても対応出来る能力を養いましょう!
今回のまとめはここまで。
来週の木曜日は「関節の角度た」の項目についてまとめる予定です。
他のトイカツ道場インストラクターのブログも合わせ、是非またご覧下さい!
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この記事を書いた人
漆原季亮
生年月日・・・1989/3/2 出身地・・・東京 格闘技の経歴、戦績、タイトル・・・ 少林寺拳法4年、キックボクシング5年。戦績 アマチュア:6戦5勝1敗 プロ:1戦1敗
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