岡市 尚士

岡市 尚士

2016.08.03

「試合を待ってる時」と「絶叫マシーン前で並んでる時」の感覚は似ている気がする

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タイトルのこれ↑ずっとどっかで発表したいと思ってました(笑)

ここ最近アマチュア大会も増えて、指導させていただいてる高田馬場道場およびトイカツ道場系列の皆様の中からも今度はじめて試合出る。という方々をちらほら聞きます。

そんな今度初めて試合出るという方々へ。先日の全日本選手権で柔術89戦目を迎えレスリング時代と合わせると大体120戦くらい闘ってみた自分なりの検証もろもろ。

タイトルでも申しましたが出番があと数試合後に迫ってきて待ってる時と、絶叫マシーン待ちのそれは感覚的に極めて近い気がします。

そして子供の頃初めて絶叫マシーンに乗ったあとって自分が人間として一回り大きくなったような気がしませんでしたか?

しかしですね。

試合後のそれは絶叫マシーンなんかの比じゃないです。

待ってる時の感覚は似てるしれませんが、終わったあとの感覚は遊園地なんかでは味わえません。勝ち負け関係なく闘い終えて精魂尽き果ててるその胸には勲章ぶら下がってますから。

そして試合前。勝つ!勝つ!といくら心の中で念じていようとも。試合が始まった途端に湧き出る「ここで転べば楽になるのになぁ。」

試合はこの「楽になるのになぁ」との闘いである。といっても過言ではないと思います。まあ要するにしんどいんですけど(笑)毎回毎回試合のたびに「また今回も出やがった。『楽になるのになぁ。』が」とゲンナリする間もなく現れます。これは多くの人もそうなのか、俺が根性なしの部類だからなのかは解りませんけど。

このネガティヴな感情に抗って、しがみついたり、ジタバタしたり、といった感じでしょうか、試合中は。

白帯の頃思ってました。100戦近くこなせば気持ちの面も含め気楽に試合出来るんじゃないかなと。しかし100戦をとっくに超えた今も全然楽にならない!俺は悟りました。おそらくあと100戦しようが多分変わらないし、こんなもんなんだと受け入れるしかないと。しかしレスリングデビュー戦当時の11歳と36歳現在の試合中のメンタルがほぼ同等だなんて。

そんな自分の弱さに最後まで向き合うからこそ。なのかどうかは解らないですが。とにかく試合後、胸に去来するものは遊園地なんかでは絶対味わえない人生レベルの何かです。

そして試合には数千円の参加料というものを払って出ると思うんですが。自分は以前こう思ってました。たった数分のためだけに数千円って割高だなと。しかし戦歴を重ねるごとに、その考えは違うんじゃないかなと思うようになりました。

【勇気を出して申し込んで、試合を意識して練習して、エントリーリストに自分の名前が載り、体重も意識しながら日々を過ごし、トーナメント発表され、試合前夜いつもより寝つきが悪く、試合当日迎え、計量に向かい、マットの上に立ち、空白の数分を闘い、試合後色んな思いが胸に去来し、余韻に浸りながら帰路について、翌日から普段の生活に戻っていくけどまだ余韻に浸っている】

↑に書いた、これ丸ごと。全部込み込みの参加料だと思うんですよ。めちゃくちゃ安いですよ!

なので、最近では↑これ丸ごと味わうために試合に出てるんじゃないかなという自己分析です。これからも出続けるでしょうし。

という事で、これから試合予定の皆様行ってらっしゃいませ。

この記事を書いた人

岡市 尚士

岡市 尚士

ブラジリアン柔術黒帯。第17回茶帯全日本ブラジリアン選手権大会優勝。茶帯全日本マスターズ選手権優勝、茶帯全日本ライトフェザー級2位、JBJJF全日本マスターズ選手権マスター1紫帯ライトフェザー級優勝、全日本コンバットレスリング選手権大会/58キロ級3位、レスリング岩手県高総体/52キロ級準優勝、レスリング岩手県民体/56キロ級準優勝、レスリングジュニアオリンピックカップ/48キロ級3位と多彩な実績を持つ。

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